ニュース速報
ビジネス

午前のドル一時145円台へ下落、株高と円高が同時進行

2025年07月24日(木)12時53分

 7月24日、午前のドルは一時145円後半へ下落し、2週間ぶり安値を更新した。都内で2022年撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Shinji Kitamura

[東京 24日 ロイター] - 午前のドルは一時145円後半へ下落し、2週間ぶり安値を更新した。日米関税交渉の早期合意が日本経済に好影響をもたらすとの見方から日経平均が800円超値上がりしたのに対し、日銀の利上げが前倒しされる可能性があるとして、円は底堅い動きとなった。

前日海外で売られたドルは、東京市場でも朝方から上値の重い展開で、仲値を経て一時145.86円まで下げ幅を拡大。今月10日以来2週間ぶり安値を更新した。

市場では、日銀利上げ観測の高まりが、円の堅調推移を支えているとの指摘が相次いでいる。難航が伝えられていた関税交渉が速やかに終結し、焦点だった自動車関税の引き下げも含まれたことで、大手金融機関の間では、日本の成長率見通しの上方修正や日銀利上げ予想時期の前倒しの動きが出ている。

その一つ、バークレイズ証券では2025年度実質国内総生産(GDP)成長率見通しを従来から0.3%ポイント上方修正して、プラス0.8%に変更。次回の日銀利上げ予想も来年1月から今年10月に前倒しした。「関税の不確実性後退と利上げ前倒しは短期的に円の支援材料となる」(為替債券調査部長の門田真一郎氏)という。

円は対ドル以外でも堅調で、ユーロは朝方の172円前半から171円後半へ、豪ドルも96円半ばから前半へ下落した。

市場では、この日開催される欧州中央銀行(ECB)理事会に関心を寄せる声もあった。金融政策は据え置き予想が大勢だが、ユーロが節目の1.20ドルに近づく中で「どうユーロ高をけん制するかがドルの、ひいては円の行方に影響を与える」(外銀トレーダー)可能性があるという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

カンボジア国境地帯の衝突2日目、16人死亡 タイは

ビジネス

米関税の影響をECB注視、仏中銀総裁「インフレ上昇

ワールド

イランが協議再開に応じる姿勢とIAEA事務局長、査

ビジネス

ECBの年内利下げ見送りを予想、ゴールドマンとBN
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 2
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家安全保障に潜むリスクとは
  • 3
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心中」してしまうのか
  • 4
    まさに「目が点に...」ディズニーランドの「あの乗り…
  • 5
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 9
    WSJのエプスタイン・スクープで火蓋を切ったトランプ…
  • 10
    参院選が引き起こした3つの重たい事実
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人口学者...経済への影響は「制裁よりも深刻」
  • 4
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 5
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 6
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 7
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 8
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 9
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 10
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中