最新記事
アメリカ政治

米軍によるイラン攻撃の目的は「TikTok映え」? 「トランプが一人でこの演出、計画、決行日を決めた」

ALPHA MALE BOMBING

2025年7月4日(金)14時35分
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)

しかしトランプは連邦議会の承認も国際社会の了解もないままに動いた。ネット上で「最後通牒」は出したが、正式な宣戦布告はしなかった。戦争技術の途方もない進歩により、もはや公式の宣戦布告は無意味なものになっていたからだ。

トランプ政権のある高官によれば、トランプの意思決定に側近や顧問たちの影響は薄かった。「これは国防総省の作戦ではない。ドナルド・トランプ個人の作戦だ。彼がこの演出を思い付き、この計画を選び、決行の日を選んだ」。報道によれば、普段のトランプが最も信頼する高官たち(副大統領のバンスや中東担当特使のスティーブ・ウィトコフなど)は外交的解決策を主張していた。


不安によって核拡散が加速

だが中東に展開する米軍を指揮する中央軍司令官マイケル・クリラは違った。なにしろ中央軍の最大の任務はイスラエルの防衛であり、彼は24年にイランのミサイル攻撃からイスラエルを守る地域ネットワークを構築した立役者だ。トランプが劇場的な効果を好むことを知った上で、クリラ司令官が1回限りの決定的な精密爆撃を進言した可能性は高い。

保守系の番組司会者ショーン・ハニティがテレビで、イランの核武装は絶対に許さないというトランプの「揺るぎなく一貫した」姿勢を称賛していたことも、トランプに一定の影響を与えたと思われる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

OPECプラス有志国、8月増産拡大を検討へ 日量5

ワールド

トランプ氏、ウクライナ防衛に「パトリオットミサイル

ビジネス

トランプ氏、7日にも中国とTikTok米国事業の売

ワールド

チェコでも大規模停電、送電線が落下 欧州の電力イン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 7
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 10
    1000万人以上が医療保険を失う...トランプの「大きく…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 9
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 10
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中