ISが狙う「イラン弱体化の隙」──混乱に乗じて広がる新たな脅威

A RENEWED ISIS THREAT

2025年7月2日(水)10時41分
トム・オコナー(外交問題担当シニアライター)

ISホラサン州はイランのソレイマニ司令官の追悼式典を攻撃し、100人以上が犠牲となった

ISホラサン州はイランのソレイマニ司令官の追悼式典を攻撃し、100人以上が犠牲となった(昨年1月) ANADOLU/GETTY IMAGES

「ある意味で皮肉なのは、今のアメリカが地政学的、宗派的に真逆の立場にあるイランと戦っていることだ」と、ボカリは語る。彼が指摘するのは、トランプがイランとの共闘を経てISに対する勝利を18年に宣言しながら、現在はそのイランと対立している点だ。

ボカリはこの状況を「アメリカが抜け出せないジレンマ」と表現する。「シーア派やイランを弱体化させれば、ISのような勢力を勢いづかせることになる。逆もまたしかりだ」。既にISは、かつて「カリフ制国家」の樹立を宣言した地域で活動を活発化させている。


昨年12月にシリアでは、バシャル・アサド大統領が反政府勢力シャーム解放機構(HTS)に打倒された。「抵抗の枢軸」に加わるレバノンのシーア派組織ヒズボラも、イスラエルの攻撃で弱体化している。その中でISは今年6月22日、シリアの首都ダマスカスのキリスト教の教会で自爆テロを実行した。

「抵抗の枢軸」が崩壊すれば、イラクはさらに不安定化する恐れがある。「イラクは国家として一枚岩ではない」と、ボカリは言う。「非国家的勢力の寄せ集めにすぎない。クルド系、スンニ派、シーア派などの組織がたくさんある」

ISと手を組む非ペルシャ系

この10年ほど、イランのIS掃討作戦は主にイラクとシリアからの脅威に焦点が当てられてきた。ISはこの2カ国で衰退する一方、イランの東に隣接するアフガニスタンでは着実に勢力を伸ばしてきている。

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