プライベートクレジット、来年デフォルト増加の恐れ=DBRS
12月16日、信用格付け会社モーニングスターDBRSは、世界的にプライベートクレジットの借り手企業の利益率が低下しており、2026年にはさらなるローンのデフォルト(債務不履行)につながる可能性が高いと指摘した。写真は2015年8月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Suzanne Plunkett)
[ロンドン 16日 ロイター] - 信用格付け会社モーニングスターDBRSは16日、世界的にプライベートクレジットの借り手企業の利益率が低下しており、2026年にはさらなるローンのデフォルト(債務不履行)につながる可能性が高いと指摘した。
急成長する同分野に対するネガティブな見通しを維持した。
約3兆ドル規模のプライベートクレジット市場は、主に資産運用会社など銀行以外の金融機関が企業向けに供与する融資で構成されている。
今年初めに米国で起きた一部の注目度の高い破産案件を受け、投資家の間で信用力全般への懸念が高まり、同市場への監視が強まっている。
モーニングスターDBRSの最新リポートによると、特に米国の不透明な経済環境を背景に、企業の利益率が一段と圧迫され、レバレッジが拡大しており、体力の弱い企業ほどデフォルトに陥るリスクが高まっている。
モーニングスターDBRSのシニア・バイスプレジデント、マイケル・ディムラー氏は「利益率の圧縮が見られる。解消されるどころか、むしろ悪化している」と述べた。
リポートによると、米国のプライベートクレジットの借り手企業は、前年比で平均すると、キャッシュフロー、利払い能力(インタレスト・カバレッジ・レシオ)双方の悪化を報告している。
ディムラー氏は「問題は信用サイクルがいつ転換するかという点だ」とし、その局面にはまだ達していないと述べた。
また、米国の貿易関税が企業の借り手に与える影響は依然として不透明で、さらなる圧力となる可能性がある一方、現時点ではセクター全体としては底堅さを保っているとも指摘した。
リポートによると、売上高の改善や借入コストの低下は借り手企業にとって追い風となっており、欧州では信用の質が相対的に健全に見えるという。
プライベートクレジットの拡大は、規制当局の監視強化につながっている。イングランド銀行(英中央銀行)は今月、プライベートエクイティ(PE)とプライベートクレジット業界が金融ショックにどう対応するかを検証するストレステストを開始すると発表した。
格付け会社のフィッチとムーディーズも以前、プライベートクレジットが従来の金融システムとの結びつきを強めていると指摘、金融ストレス発生時にはリスクが増幅される恐れがあると警告している。





