「安全なのは強者だけ」...止めるはずが核拡散を逆に招いた、イスラエルとアメリカの「愚かな力の論理」
AN IRANIAN BOMB JUST BECAME MORE LIKELY

攻撃を受けたフォルドゥの地下核施設(6月22日) SATELLITE IMAGE ©2025 MAXAR TECHNOLOGIES/GETTY IMAGES
<IAEAを無力化した、アメリカとイスラエルの今回の攻撃。短期的な選択が安全保障の理念を崩壊させた>
イスラエルとアメリカのイランへの攻撃は、核インフラに壊滅的な打撃を与えた。
だが戦術的には成功だったとしても、戦略的には重大な損害をもたらしかねない。イランは今や、自国への将来の攻撃を抑止して体制を存続させる唯一の手段は核兵器である、とこれまで以上に確信しているからだ。
かつてイランを交渉の場に引き出したのは、アメとムチを慎重に組み合わせたアプローチだった。不完全とはいえ、この手法は成果を上げた。
2015年、イランは制裁緩和などの譲歩と引き換えに核開発を制限する「包括的共同作業計画(JCPOA)」に合意。イランは合意を守っていたようだが、1期目のドナルド・トランプ米大統領はイスラエルの働きかけを受けて18年にJCPOAを離脱した。
今回もアメリカはイランとの核交渉を進めていたが、戦略的忍耐を放棄し、イスラエルと共に突発的な軍事行動に走った。
イランが国際社会を欺き、地域紛争をあおり、民生用途の水準をはるかに超えるウラン濃縮を行ってきたのだから、攻撃されたのは自業自得との主張にも一理ある。
IAEA(国際原子力機関)もイスラエルの攻撃直前に発表した報告書で、イランが義務を果たしていないと懸念を示していた。