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安全保障

アメリカも中国の「真珠湾攻撃」を受けかねない――ウクライナのドローン攻撃で米本土防衛の脆弱性が明らかに

'Russia's Pearl Harbor' Fuels Fears Over Chinese Cargo Ships at US Ports

2025年6月4日(水)17時47分
ジーザス・メサ

より差し迫った警告を発しているのは、新アメリカ安全保障センターのフェローを務める元海軍司令官トーマス・シュガートだ。

「国防総省が中国軍関連企業と認定した会社が所有・運営する船が、何千ものコンテナを積んでアメリカの港に平然と出入りしている現状は、常軌を逸している」と、シュガートは本誌に語った。

シュガートはこの懸念は単なる仮説ではなく、中国の軍事理論と一致していると指摘する。彼は中国の軍人が学ぶべき基礎文献に言及し、「中国軍略の教本『戦役学』では、"奇襲"や"突発的な攻撃"などの表現が頻繁に登場する」と述べた。

「"強大な敵"に対しては特に先制攻撃が有効だとはっきり書いているが、これは明らかにアメリカを指している」

今年1月には、米下院国土安全保障委員会のメンバーが、コスコの「主要アメリカ港へのアクセス」について、スパイ行為やサイバー侵入、破壊活動、サプライチェーンの妨害といったリスクを理由に、アメリカ沿岸警備隊に機密ブリーフィングを要請していたことが、同月の書簡で明らかになっている。

ドローンおよび非対称戦の研究者ザック・カレンボーンは、技術的には可能性があると認めつつも、実行のタイミングには慎重な見方を示した。

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