最新記事
AI

すべてをAIが動かす「次の都市」が誕生へ...交通も照明も医療も一括管理

AI-Run City Set for Launch

2025年5月22日(木)16時00分
アミラ・エルフェッキ

UAEはAIで主導的地位に立つ野心を表明している。シェイク・ターヌーン・ビン・ザイード・アル・ナヒヤン(Sheikh Tahnoon bin Zayed Al Nahyan)国家安全保障担当顧問は、AIインフラプロジェクトに対して外国(アメリカを含む)からの投資呼び込みに力を入れる。投資呼び込みはサウジアラビアも積極的で、未来都市「ネオム」はAIが管理するシステムを利用する計画だ。

先週中東を歴訪したトランプ大統領は、UAEと大型契約を結んで米国外で世界最大となるAIキャンパスを建設する計画を承認した。UAEはこれまで、中国へ渡りかねないとの懸念から米国製の最先端半導体の利用を阻まれていたが、これでその制約がなくなった。

シナプシアの発表によると、2025年3月、シナプシアとボールド・テクノロジーズはUAEが支援する契約を締結した。AIエンジン「マイア」を使い、都市インフラを横断して交通、照明、輸送、安全対策を連携させ、効率性の向上とエネルギー消費の削減を目指す。

マイ・アイオン社のダニエレ・マリネリCEOの話(ハリッジ・タイムズより引用) 「我々は次のレベルを目指す。想像してほしい。AIがあなたのことをよく知っていて、記念日のディナーにふさわしい場所を薦めてくれ、自分が指1本動かさなくても予約してくれることを。それがマイアのパワーだ。そしてそれは、便利さとは何かをAion Sentiaが塗り替えるほんの一例にすぎない」

2025年3月のシナプシアのウェブサイトより 「この契約には、コグニティブシティの開発に向けた多額の投資が含まれる。新パラダイムの都市はスマートシティの概念をはるかに越え、生成AIと予測最適化をベースに完全自律型の都市管理を導入する」

UAEによると、Aion Sentiaはアブダビの試験運用を経て世界展開を目指す。しかしそれ以上の詳細や具体的な場所は明らかにしていない。

(翻訳:鈴木聖子)

ニューズウィーク日本版 関税の歴史学
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月27日号(5月20日発売)は「関税の歴史学」特集。アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応――歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、安定重視 インフレ衝撃「ほぼ克服」=4月理

ビジネス

ダイモン氏、米スタグフレーションリスク警告 大型減

ワールド

G7財務相・中銀総裁、中国念頭に「過度の不均衡」対

ビジネス

ルーブル、対ドルで約2年ぶり高値更新 地政学緊張緩
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドローン母船」の残念な欠点
  • 2
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界の生産量の70%以上を占める国はどこ?
  • 3
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 4
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 5
    子育て世帯の年収平均値は、地域によってここまで違う
  • 6
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 7
    米国債デフォルトに怯えるトランプ......日本は交渉…
  • 8
    空と海から「挟み撃ち」の瞬間...ウクライナが黒海の…
  • 9
    人間に近い汎用人工知能(AGI)で中国は米国を既に抜…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「自動車の生産台数」が多い…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドローン母船」の残念な欠点
  • 4
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 5
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 6
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 8
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 9
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 10
    人間に近い汎用人工知能(AGI)で中国は米国を既に抜…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中