最新記事
日米関係

石破・トランプ「蜜月」の裏で浮かび上がった「意識のギャップ」...世論調査で見えた日米関係の今後

Caught in the Shockwave

2025年2月17日(月)16時48分
クレイグ・カフラ(シカゴ国際問題評議会世論・外交政策担当責任者)

経済分野では、米世論はもっと好意的だ。日本は公正な貿易相手国で、経済・技術・文化大国と見なされている。アメリカ人の65%は、「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法」による助成や税額控除を、同盟国の日本などの企業に行うことに賛成だ。

だが経済関係こそ、第2次トランプ政権で長期的障害になる可能性が濃厚な分野だ。


ジョー・バイデン前政権はインフラ投資雇用法やインフレ抑制法の枠組みの下、同盟国や友好国でサプライチェーンを構築するフレンド・ショアリングを推進した。日本はその方針に賭けたが、当時からリスクは高かった。

日本製鉄が2023年に発表したUSスチールの買収計画に、バイデンはあからさまな政治的理由で阻止を命じた。同盟国重視の政権でも、大局的な目標より目先の国内感情を優先するという事実を浮き彫りにした出来事だった。

関税は人ごとではない

トランプは政権発足直後、インフラ投資雇用法とインフレ抑制法に基づく支出の凍結を命じる大統領令に署名した。これまで期待できたアメは、今やトランプ流の関税というムチに変わりかねない。

さらに、日米の経済関係の潜在的問題は、2国間関係に伴うものではない。アメリカが3月から、全貿易相手国を対象に適用する鉄鋼・アルミへの追加関税がいい例だ。日本を標的にした措置ではないが、日本と日米関係は影響を受ける(日本政府は2月11日に適用除外を申し入れた)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

再送-米貿易政策で景気リスク高まる、不確実性は当面

ワールド

米ロ首脳、補佐官通じ祝意交わす 対独戦勝記念で=ク

ビジネス

三井住友FG、インド大手銀行に2400億円出資 約

ビジネス

米国は最大雇用に近い、経済と労働市場底堅い=クーグ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中