最新記事
日米関係

石破・トランプ「蜜月」の裏で浮かび上がった「意識のギャップ」...世論調査で見えた日米関係の今後

Caught in the Shockwave

2025年2月17日(月)16時48分
クレイグ・カフラ(シカゴ国際問題評議会世論・外交政策担当責任者)

製造業、特に自動車製造分野もそうだ。日本は製造業部門で最大の対米直接投資国で、日本の自動車メーカーはアメリカ国内の製造拠点に計616億ドルを投じ、220万人以上の雇用を提供している。

しかし、そのサプライチェーンは北米貿易圏にまたがる。トランプ政権によるメキシコとカナダへの追加関税の影響で、日本の自動車企業が失う収益は、当初の試算では100億ドル以上。北米貿易戦争の可能性が再浮上する現状では、投資拡大は危険な賭けだ。


これだけでも十分厳しい状況なのに、第2次トランプ政権はアメリカという国家も引き裂こうとしている。最初の犠牲者は、対外援助を行う米国際開発庁(USAID)だ。

イーロン・マスク率いる政府効率化省(DOGE)は同庁を、違憲的に解体しようとしている。

ここでも、日本は衝撃波に見舞われている格好だ。対外援助と安全保障上の国益の関連は理解しているが、アメリカの代わりに援助を担えば、日本の財政はさらに圧迫される。だからと言って負担を拒めば、インド太平洋はさらに貧しくなり、中国による援助への関心が高まりかねない。

結論として日米両国政府に合理的な政策を提言できればいいのだが、今は不合理の時代だ。アメリカの信頼度が低下するなか、日本とその他の国はアメリカを経由せず、直接的に協力する必要がある。

石破の訪米成功のおかげで当面は破滅的状況を回避できたかもしれないが、日本にとってトランプ政権が続く今後4年間は厳しいものになるだろう。

From thediplomat.com

ニューズウィーク日本版 習近平独裁の未来
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月17号(2月10日発売)は「習近平独裁の未来」特集。軍ナンバー2の粛清劇は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」強化の始まりか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国こそが「真の脅威」、台湾が中国外相のミュンヘン

ワールド

米中「デカップリング論」に警鐘、中国外相がミュンヘ

ビジネス

ウォルマート決算や経済指標に注目、「AIの負の影響

ワールド

ドバイ港湾DPワールドのトップ辞任、「エプスタイン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 9
    【インタビュー】「4回転の神」イリヤ・マリニンが語…
  • 10
    機内の通路を這い回る男性客...閉ざされた空間での「…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中