最新記事
トランプ

「あごのラインが大王に激似」...トランプ前大統領の末息子「バロン王子」に少女たちの妄想が止まらない

The Other Trump Son Emerges

2024年5月27日(月)12時25分
ルーク・ウィンキー

目を引く規格外の体格

「MAGA(アメリカを再び偉大に)派の中でも一部の極端な人々は、トランプが大統領に就いたのはある種のタイムトラベル実験であったとか、過去に予見された出来事であったなどと、この大昔の無名作品を根拠に主張している」と、ロスチャイルドは言う。とはいえ、「バロンが成人後に復讐者として降臨し、トランプ路線を恒久化するであろうという考えは、比較的最近になって出てきた」。

その思想はネット上の随所に見られる。あるTikTok(ティックトック)クリエーターは、幼いバロンの映像に暗い音楽を付け、「父親が迫害されるのを彼が見てるのが分からない?」と投稿した。

またトランプが最近、バロンは政治のアドバイスをしたがることがあると(軽薄に)話したと報道されると、X上ではローマ皇帝カエサルを兵士らがあがめるGIF画像が拡散された。「バロン・トランプはアメリカのカエサルに間違いない」との投稿も。

バロンは思い込みの激しい熱狂的支持者が忠誠心を投影する対象と化している。陰謀論をテーマにした著作のあるケリー・ワイルによれば、一部の終末論信者は「優れた血統の一族」という概念に夢中になる傾向があるという。彼らの思想は、反移民政策や安っぽい政治劇にも利用される。

「これは右派の優生学信奉者によくある傾向だ」と、ワイルは言う。「トランプがキリストの血統だなどと主張するQアノン界隈や、移民は『わが国の血を毒する』というトランプ自身の発言に表れている。こうしたイデオロギーは、トランプ一族を中心としたアメリカ王室主義的な考え方に結び付きがちだ」

知っておかなければならないもう1つの要素がある。バロンがとんでもなく身体的に規格外であるという事実だ。彼は推定身長2メートル、しっかりした体格で、それがまた復讐に燃える征服者というイメージを確実に助長している。「沈黙の復讐者として完璧だ」と、ロスチャイルドは言う。

ロスチャイルドは、バロン・ブランドの核心を成す要素をこう定義する。バロンは初めて口を開いて自らの見解を表明するその日まで、「暗号」であり続ける。それまではあらゆる印象を投影することが可能なのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 3
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 4
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 5
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 8
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 9
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 10
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中