最新記事
トランプ

「あごのラインが大王に激似」...トランプ前大統領の末息子「バロン王子」に少女たちの妄想が止まらない

The Other Trump Son Emerges

2024年5月27日(月)12時25分
ルーク・ウィンキー
ドナルド・トランプと並ぶ18歳のバロン・トランプ

18歳になったトランプの三男バロン(中央)が熱狂的な注目を集めている THE MEGA AGENCY/AFLO

<推定身長2メートル。SNSに手を出さず、インタビューにも応じない「謎の王子」に陰謀論者たち熱狂する理由とは>

ドナルド・トランプ前大統領の三男で末息子のバロン・トランプは、アレクサンダー大王とあごのラインが似ている。筆者がこれに気付いたのは、ネット上で有名なあるトランプ支持者が、ドナルド王朝の末っ子御曹司と、ギリシャ時代の征服者の彫像の画像を並べて投稿していたからだ。

2人とも地平線のかなたをにらみ、うなじには豊かな髪が波打ち、その気高さたるや確かに男性的で、それでいてややファシスト的にも見える。ここから読み取れるのは、サイコパスな右派トランプ支持者の空想の中で、バロンは父の皇帝の座を受け継ぐべき存在とされていることだ。

バロンはトランプが3番目の妻メラニアとの間に儲けた唯一の子供で、今年3月に成人した。18歳になったバロンだが、これまでのところ、父の政治的活動からは一線を置いている。保守界のセレブ的な道を邁進するトランプの他の息子たち(長男ドニーと次男エリック)とは対照的だ。

バロンはX(旧ツイッター)やインスタグラムに手を出さず、インタビューに応じたこともない。最近では、トランプの大統領候補指名を確定させる共和党全国大会に出席するフロリダ州代議員の1人に選出されたが辞退した。

だがそんな姿勢などお構いなしに、世間のバロン熱は高まる一方。若きバロンは好むと好まざるとにかかわらず、トランプの遺産の重みを引き継いでしかるべき存在なのだ。

「彼には常に奇妙な個人崇拝が付きまとっていた」と、右派の偽情報に詳しいジャーナリストのマイク・ロスチャイルドは言う。彼が指摘するのは「バロン・トランプのタイムトラベル」説。インガーソル・ロックウッドという無名作家による1890年代の児童小説に端を発する陰謀論だ。

この小説シリーズは、その名もバロン・トランプ(トランプ男爵)という早熟な少年が主人公。この少年もまた高貴な家柄に生まれ、あらゆる困難に立ち向かい、冒険を繰り広げる。彼の帰る家は、トランプ・キャッスルだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独IFO業況指数、12月は予想外に低下 来年前半も

ビジネス

EU、炭素国境調整措置を強化へ 草案を正式発表

ワールド

インドネシア中銀、3会合連続金利据え置き ルピア支

ワールド

戦略的互恵関係を推進、国会発言は粘り強く説明=日中
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中