英国へのボート難民、上半期で過去最多約2万人 昨年から5割増

7月2日 英内務省によると、今年1─6月に英国に小型ボートで到着した難民希望者が2万人近くに上り、上半期として過去最多を記録した。写真は2024年8月、英仏海峡で撮影(2025年 ロイター/Chris J. Ratcliffe)
[ロンドン 1日 ロイター] - 英内務省によると、今年1─6月に英国に小型ボートで到着した難民希望者が2万人近くに上り、上半期として過去最多を記録した。
30日には879人が到着し、今年の難民希望者は前年同期比50%増の1万9982人となった。
スターマー首相は、人身売買の糸を引く「犯罪集団を壊滅する」と公約しており、難民対応は有権者にとって重要な問題となっている。
昨年7月のスターマー政権発足以来、政府は英国滞在権を持たない2万4000人以上を送還したと発表。一方、好天の日が多かったことや、より多くの難民を乗せる技術などで渡航が増大しているという。
また政府は、難民希望者が宿泊するホテルへの高額な支出を停止すると表明した。
スターマー氏は5月に移民総数の削減案を発表した際、英国が「異邦人の島」になる恐れがあると警告。この発言は分断を招くと批判され、同氏は発言を後悔していると表明した。
さらに、政府は今年、難民申請者に対して現代奴隷法などの人権法に基づく保護請求を禁止する措置を支持し、人権団体から批判を受けている。