ニュース速報
ビジネス

タイ金融政策、景気支援へ緩和的にとどまるべき=中銀副総裁

2025年07月03日(木)09時57分

 7月2日、タイ中央銀行のルーン副総裁(写真)は国内政治が混乱する中、タイ経済は米国の関税を巡る不確実性により、2025年後半に厳しい状況に直面するとし、このような状況下では金融政策は経済を支えるために緩和的であり続けるべきだと述べた。バンコクで同日撮影(2025年 ロイター/Chalinee Thirasupa)

[バンコク 2日 ロイター] - タイ中央銀行のルーン副総裁は2日、国内政治が混乱する中、タイ経済は米国の関税を巡る不確実性により、2025年後半に厳しい状況に直面するとし、このような状況下では金融政策は経済を支えるために緩和的であり続けるべきだと述べた。

ロイターのインタビューで、「経済活動の著しい鈍化が予想される。基本的に関税の影響はわが国の構造的な問題をさらに悪化させると考えている」と語った。

タイからの輸入品に36%の関税を課すという米国の警告が、低迷する経済にさらなる課題をもたらしている。

また、国内では憲法裁判所が1日、国軍を批判する発言を巡りペートンタン首相の失職を求める請願を受理し、判決言い渡しまでの期間、首相の職務停止を命じた。

ルーン氏は政治的な不確実性は現在のところ大きな懸念事項ではなく、政府支出や米国との貿易交渉は中断なく継続する見通しだと述べた。

中銀は10月、2月、4月と政策金利を引き下げた後、先週の会合では1.75%に据え置いた。経済を支えるため緩和的な政策スタンスを維持し、必要に応じて金利を調整する用意があると表明した。

7人で構成される金融政策委員会(MPC)のメンバーではないルーン氏は「見通しが悪化すれば、私がMPCのメンバーなら、緩和をためらうことはないだろう」と述べた。

中銀は次回8月13日に政策を見直す。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ経済成長率予測、今年1.8%・来年1.7%に下

ワールド

米、半導体設計ソフトとエタンの対中輸出制限を解除

ビジネス

米経済の不確実性、減税や規制緩和も含め分析すべき=

ワールド

オデーサ港に夜間攻撃、子ども2人含む5人負傷=ウク
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索隊が発見した「衝撃の痕跡」
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケ…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しない…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    「22歳のド素人」がテロ対策トップに...アメリカが「…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中