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プーチンがナワリヌイの次に「餌食」とする反体制派の指導者は誰か?

2024年3月12日(火)17時01分
エイミー・マッキノン(フォーリン・ポリシー誌記者)
プーチンがナワリヌイの次に「餌食」とする反体制派の指導者は誰か?

2月17日に行われたナワリヌイの追悼集会で連行される女性(モスクワ) REUTERS

<「ナワリヌイが殺されたのであれば、ほかの誰が殺されても不思議でない」ナワリヌイの死をめぐり国際的批判が高まるなか、ロシア政府の反体制派への弾圧が和らぐ気配はほとんどない>

3月1日、モスクワ南部の教会でロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイの葬儀が執り行われると、逮捕の脅しにも屈せず、数千人もの市民が詰めかけた。

警察が厳重に警戒するなかで、多くの人が赤いカーネーションを手に持ち、なかには「プーチン(大統領)は人殺しだ」と声を張り上げる人たちもいた。

ナワリヌイがロシア北極圏の刑務所で死亡したことが発表されたのは2月16日。それ以降、ロシア各地の追悼行事に参加して身柄を拘束された人は400人を超える。

ナワリヌイの不審死により、ほかの服役者たちに関しても不安が高まっている。「ナワリヌイが殺されたのであれば、ほかの誰が殺されても不思議でない」と、ロシア有数の歴史を持つ人権擁護団体「メモリアル」の弁護士グリゴリー・バイパンは言う。

同団体の調べでは、政治的理由により収監されている人は現在679人。実際の人数はもっと多い可能性が高いと、バイパンは語る。

ナワリヌイの死をめぐり国際的批判が高まるなか、ロシア政府の反体制派への弾圧が和らぐ気配はほとんどない。

2月末には、メモリアルの幹部オレグ・オルロフがウクライナ戦争を批判したことを理由に2年6カ月の実刑判決を言い渡された。同じく2月には、ロシア系アメリカ人クセニア・カレリナがウクライナの慈善団体に50ドル余り寄付したことを理由に国家反逆罪で逮捕されている。

ロシア政府による反体制派の弾圧は、プーチンが権力を握ってからの24年間で加速してきた。2014年のクリミア併合以降はそれがいっそう加速し、22年にウクライナ全土への侵攻を始めた後はさらに逮捕者が急増している。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、22年に戦争反対を公言したことで収監されたり、重い罰金を科されたりした人は、2万1000人を超すという。

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