ロンドン金融業界、求人が増加 フィンテックとAIがけん引

ロンドンの金融業界で求人が増えている。人工知能(AI)やフィンテック分野の需要拡大が背景だ。資料写真、ロンドン、9月撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)
[13日 ロイター] - ロンドンの金融業界で求人が増えている。人工知能(AI)やフィンテック分野の需要拡大が背景だ。
人材紹介会社モーガン・マッキンリーが13日公表した報告書によると、7─9月の金融業界の求人件数は前年同期比で9%増加した。
ただ、業務の自動化が進んでいるため、新卒レベルの採用は鈍化傾向にあるという。
今年は当初、関税を巡る不透明感で採用が急減したが、その後、企業が延期していた採用計画を再開したことで、著しい回復が見られた。
今年のフィンテック関連の求人は6425件と、すでに昨年1年間の合計を上回った。背景にはAIプラットフォームの商用化を巡る競争があるという。
ただ、11月26日の予算案発表を前に増税への警戒感が浮上しており「採用計画が撤回ではなく、先送りされているケースが多い」という。
金融業界の雇用市場には構造変化が起きている。ジュニア職がベルファストやグラスゴーといった地方都市に配属されるケースが増えているほか、事務系の職種は自動化の影響で減少している。
一方、テクノロジー、コーポレート・ファイナンス、AI戦略など上級職の多くは依然としてロンドンに集中しているという。