最新記事
ロシア軍

ロシアのミグ31戦闘機が空中で炎上し劇的にノーズダイブ!

Russian Military Jet Blows Up Mid-Flight, Crashes Into Lake

2023年4月27日(木)17時40分
ニック・モルドワネク

米空軍の元大佐で戦闘機乗りだったリー・エリスは本誌のメール取材に応じ、軍のパイロットは「常に生死の瀬戸際にいる」ので、瞬時に的確な判断をする能力が求められると説明した。

エリスは今回のような事故を2度経験したという。1度目は片方のエンジンが停止し、もう片方も加速できなくなったが、ぎりぎりの出力でどうにか緊急着陸できた。2度目は戦闘中で、敵の攻撃を受けて機体が爆発。緊急脱出で九死に一生を得た。

「一瞬で生死が決まる。緊急着陸か墜落か緊急脱出か、コンマ数秒で判断しなければならない」と、エリスは述べる。「それは戦闘機乗りの最も重要な能力の1つだ。瞬時に冷静な状況判断をし、賢明な選択をする。どうやら(ミグに乗っていた)2人は正しい判断ができたようだ。今夜は仲間と家族が彼らの無事を祝っているだろう」

ロシア軍は、ウクライナとの国境付近にミグ31を常駐させていない。だが戦闘地域の交通事情を伝えているオンラインの自動車情報誌「ザ・ドライブ」によれば、昨年2月のウクライナ侵攻開始後に国境付近にミグの拠点として臨時基地を設けたようだ。

嫌がらせ飛行を繰り返すロシア

ミグの主な用途は迎撃だが、極超音速の空対地弾道ミサイル「キンジャール」の発射にも使え、2022年の3月と4月にロシアがウクライナの制空権を奪うために行ったミサイル攻撃でも使用された(ロシア政府はウクライナ西部の軍事施設破壊のためにキンジャールを発射したと発表)。

さらに、英王立統合軍事研究所(RUSI)の報告書によれば、ミグ31は空から偵察を行うウクライナ軍機を多数、射程距離の長い空対空ミサイルR-31で撃墜しているという。

4月26日には、バルト海上空の国際空域でドイツ軍とイギリス軍の戦闘機がロシア軍の偵察機をインターセプトしたとのニュースも伝えられた。

インターセプトされたロシア軍機は、スホーイSu27戦闘機2機とイリューシャンIl20情報収集機1機。ロシア軍機はバルト3国やノルウェー上空などに度々飛来している。

【動画】スパイ飛行中のロシア軍機をインターセプト

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ウォルマート、8―10月期は予想上回る 通期見通

ビジネス

米9月雇用11.9万人増で底堅さ示唆、失業率4年ぶ

ビジネス

12月FOMCで利下げ見送りとの観測高まる、9月雇

ビジネス

米国株式市場・序盤=ダウ600ドル高・ナスダック2
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中