最新記事
ロシア軍

ロシアのミグ31戦闘機が空中で炎上し劇的にノーズダイブ!

Russian Military Jet Blows Up Mid-Flight, Crashes Into Lake

2023年4月27日(木)17時40分
ニック・モルドワネク

極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載したミグ31(モスクワ上空、2022年の対独戦勝記念日のリハーサル)Maxim Shemetov-REUTERS

<墜落したミグ31は、ロシア空軍の主力機の1つで、ウクライナ侵攻にも参加し、偵察にくるウクライナ軍機を多数撃墜しているという戦闘機。その性能は?>

ロシアの迎撃戦闘機ミグ31が4月26日、ロシア北西部の湖に墜落し、乗員2人は脱出した、と複数のメディアが伝えた。乗員の安否については情報が混乱しているが、事故が起きたことはロシア政府も認めている。

【動画】炎上墜落するミグ31

ミグ31フォックスハウンドは超音速で飛ぶ双発2座席の長距離迎撃戦闘機で、ロシアとカザフスタンの空軍が導入している。冷戦時代に旧ソ連の航空工業省の設計局を作ったミコヤン・グレビッチ(ミグ)らが開発し、1975年に初飛行に成功した。なお、現在ミグはスホーイなどと共に、ロシア国有の統一航空機製造会社の傘下に収まっている。

ミグ31は、高高度の迎撃機ミグ25を、低空飛行でレーダー網をかいくぐれるよう改良したバージョンで、自機より低い空域に位置する飛行物体を補足し、攻撃できる「ルックダウン能力」と「シュートダウン能力」を誇る。

これまでに500機余り製造され、現在およそ370機をロシア空軍、30機をカザフスタン空軍が保有している。ロシア国防省は2020年7月、既存機の更新を進める方針を発表したが、今のところミグ31はロシア空軍の主力機の1つであり続けている。

ノーズダイブに驚く目撃者

ロシア国営タス通信はメッセージアプリのテレグラムで、北西部のムルマンスク地域で訓練飛行中にミグ31が墜落したというロシア国防省のコメントを伝えた。ロシアの独立系メディア「バザ」もテレグラムで、ムルマンスク地域の村リシュ・グバの湖にミグが墜落したと報じた。

ロシア国防省は当初、「乗員は2人とも脱出し、捜索救難チームのヘリコプターに救出され、命にも健康状態にも別状はない」と発表していた。

だがタス通信の続報では、医療関係者の話として、乗員2人は救急搬送され、危険な状態にあると伝えられている。

これとは矛盾する報道もある。国営通信の「ロシアの今日」(旧RIAノーボスチ)はテレグラムで、ミグは「人里離れた場所」に墜落したが、乗員2人は脱出に成功し、「命と健康はまったく脅かされていない」と伝えた。

バザは、現場からかなり離れた場所で事故の模様を撮影した動画をテレグラムに投稿した。この動画には、湖に向かってノーズダイブ(急降下)するミグを地元の人々があっけにとられて見守る様子が写っている。

オンラインのニュースメディア「サイレン」も別のアングルから事故の模様をとらえた映像をテレグラムにアップした。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECBは景気停滞対応へ利下げ再開を、イタリア予算案

ワールド

ガザ支援船、イスラエル軍が残る1隻も拿捕

ビジネス

世界食糧価格指数、9月は下落 砂糖や乳製品が下落

ワールド

ドローン目撃で一時閉鎖、独ミュンヘン空港 州首相「
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 7
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 5
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中