最新記事

トラベル

5日間のタイ旅行で感じた今会社員が海外旅行に行くハードル パンデミック下でも行けなくないけど

2022年4月23日(土)11時00分
橋賀秀紀(トラベルジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

現在、日本に帰国する場合、帰国便の出発時刻からさかのぼって72時間以内に検査し、陰性証明書を準備する必要がある。また、PCR検査をどこで受けるのか、自分で情報収集をして、場合によっては予約もとらなくてはならない。

各国にある日本大使館では、日本帰国用のPCR検査が受けられる病院などを紹介している。だがこうした病院はおしなべて料金が高く、時間なども融通が利かないことが多い。

幸いバンコクは日本人が多いこともあり、ツイッターでスクムビットにあるMedConsultという検査所を知った。週末も休みなく毎日朝7時から19時までやっており、金額も1500バーツ(約5500円、クレジットカード払い可)と安い。結果はメールで送られてくるので、この後は帰国まで何もする必要がない。

鉄道市場で有名なアムパワーを訪問

バンコクから南西に70㎞ほどのところにある運河沿いの町、アムパワーで1泊することにした。マハーチャイ線、メークローン線というローカル線や渡し船、荷台を改造したロットゥーとよばれる乗合いバスを乗り継いでいく。

newsweek_20220421_192227.jpg

コロナ前の2017年12月(左)と2022年4月(右)のメークロン鉄道市場の様子(筆者撮影)

2017年にこのルートを通ったとき、鉄道市場とよばれるメークローンの市場には、数百人のツーリストが集まっていた。今回は西洋人も見かけたが多くはタイ人である。日本人を含む東アジアからのツーリストがほぼいなくなったことも大きい。

タイは国際観光収入が世界第4位(2019年)という観光立国(世界観光機関)だけにコロナでインバウンドが激減したことのダメージは大きい。

2022年3月以降、東南アジアでは、各国が次々と入国規制を緩めている。入国時に旅行保険の英文証明書や1泊の隔離を課すタイは、いまや厳しい部類となっており、それを敬遠してほかのアジア諸国に流れることにもなりかねない。そこでタイ政府は当初7月1日を予定していたタイランドパスの廃止を1カ月早める動きを見せている。すでに観光客の奪い合いは始まっているのだ。

ストロベリー味などの鯛焼きを売るタイの屋台タイの街並みはかつてのままだった。ただ、マスク着用が予想以上に徹底していた。ローカル線の車窓を眺めていると、照りつける太陽のなか、屋台で調理をしている中年男性もマスクをしていた。

反面、バンコクの高級レストランでは大声でしゃべりながら食べるゲストも目立ち、静かに食べることはそれほど求められていないように見えた。

日本に入国する際は、MySOSというアプリを事前にダウンロードしておく必要がある。誓約書の記入などは旅行前に済ませておいたがPCRの陰性証明書だけは、現地で発行されてからアップするしかない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国のデジタル人民元、26年から利子付きに 国営放

ビジネス

米中古住宅仮契約指数、11月は3.3%上昇 約3年

ワールド

ロ、ウ軍のプーチン氏公邸攻撃試みを非難 ゼレンスキ

ワールド

ウクライナ「和平望むならドンバス撤収必要」=ロシア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中