最新記事

感染症対策

コロナワクチンのブースター接種、オミクロン株による発症予防に70%超の効果=英当局

2021年12月11日(土)11時02分
ファイザーの新型コロナウイルスワクチン

英保健安全保障庁(UKHSA)は10日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)により、オミクロン株に起因する軽度なコロナ感染症を70─75%予防できるとの推計を発表した。 撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)3月

英保健安全保障庁(UKHSA)は10日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)により、オミクロン株に起因する軽度なコロナ感染症を70─75%予防できるとの推計を発表した。

今回の調査結果は、実験室での研究以外でオミクロン株に対する予防効果を調査したものとしては最も早いデータの一つとなる。

それによると、オミクロン株に対しては当初の2回接種によるワクチンの効果が大幅に低くなるが、追加接種により予防効果をある程度まで回復させられることが分かった。

オミクロン株への感染が確認された581人を対象に行った調査で、英アストラゼネカ製、および米製薬ファイザーと独バイオ企業のビオンテックが共同開発したワクチンは、デルタ株に比べてオミクロン株の発症予防効果が大幅に低かった。

ただ、ファイザーのワクチンを追加接種したところ、アストラゼネカのワクチンを接種していた人には約70%、ファイザーのワクチンを接種していた人には約75%の予防効果を発揮した。

デルタ株への予防効果は90%程度とされている。

UKHSAのメアリー・ラムゼイ博士は「こうした初期の推定値は慎重にみる必要があるが、2回目のワクチン接種から数カ月後にはオミクロン株に感染するリスクが比較的高くなることを示している。ただ、データはブースター接種によりこのリスクが大幅に低減することを示している」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ギャップ、8─10月は既存店売上高・利益が市場予

ビジネス

ビットコインの弱気派優勢に、年末の9万ドル割れ確率

ワールド

米下院委員長、中国への半導体違法輸出受け法案の緊急

ワールド

ボスニアと米国、ロシア産ガスに代わるパイプライン建
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 8
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 9
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中