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ニューヨークの新名所「リトルアイランド」の素晴らしさと、厳しい現実

The Big Problem With Little Island

2021年6月25日(金)17時59分
ヘンリー・グラバー

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廃線の高架を利用したハイラインは地元に溶け込むスポットになれなかった FERRANTRAITE/ISTOCK

リトルアイランドは、同じくニューヨークの緑地帯であるハイラインの過ちを繰り返している。廃線の高架上に建設されたハイライン(ディラーが出資者に名を連ねている)が開園したのは09年。「地域のためのプロジェクトだったが、そうはならなかった」と、建設を主導した1人、ロバート・ハモンドは言う。

リトルアイランドも「地元」のために造られた。ここの存在理由は、ハドソン川沿いに連なる公園の建設・運営を担うトラストにイベントスペースを提供することにある。

観光客だけが行く場所に

とはいえ、より広い意味では、リトルアイランドは観光名所として設計されている。ニューヨークで絶対訪れるべきセルフィースポット――それこそ、この公園の行く先だ。

現時点では午後の訪問には事前のオンライン予約が必要なため、近隣で働く人が仕事の後にふと立ち寄ったり、仲間同士が気軽に集まるのは無理だ。予約制でなくなっても、ガイド付きツアーのように窮屈な雰囲気は残るだろう。

ニューヨークで人の多さをぼやくなんて、大リーグの名捕手だったヨギ・ベラの迷言「あそこにはもう誰も行かなくなった。混み過ぎなんだもの」並みの矛盾だ。リゾート地コニー・アイランドの遊歩道や、ヤンキー・スタジアムの観客席のように、人であふれていてこそ最大の魅力を発揮する場所がある。

一方、ブルックリン橋の歩道のように、多くの通行者が押し寄せる影響を考慮しなかったせいで、構想が失敗に終わった場所もある。ニューヨークで最も新しい公園が同じ運命をたどっても不思議はない。そう言えば、名前も「リトル」アイランドだし......。

©2021 The Slate Group

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