最新記事

幼児教育

幼児期の英語教育に効果あり コツは歌と遊びと親子で楽しむこと

Learning the Fun Way

2021年5月29日(土)17時27分
村井裕美
英語が書かれたブロックで遊ぶ赤ちゃん

TOM MERTON/ISTOCKPHOTO

<発音や文法のルールを自然に身に付けられる早期の英語学習は、親子で会話しながら「楽しんで」進めよう>

わが子が英語に堪能になることを夢見る親は少なくない。その一方で、早期からの英語教育に躊躇する人も多い。日本語もままならない幼児に英語を教えることに意味があるのか、日本語の習得の邪魔になるのでは、などの不安があるからだ。

確かに、過熱する一方の早期英語教育ブームには、懐疑的な見方も多い。赤ちゃんが1万時間以上かけて母語を覚えるのに比べれば、週にほんの数時間の英語学習など「ゼロに等しい」という専門家もいる。日本語の能力を伸ばすほうが先だ、という声も多い。

だが、悩める親たちにとって励みになりそうな研究が次々と明らかになっている。幼いうちから英語に親しませるのは、決して無意味ではないというのだ。

英語の中でも文法のルールや発音の仕方などのようにコツを身に付ける必要のある学習は、「むしろ幼いときから始めるべきだ」と指摘する英語教育の専門家もいる。話したり書いたりといった日常のコミュニケーションの中で、分析的ではなく機能的に覚える必要があるためだ。早くから英語のイントネーションやリズムに慣れるのもいい。

英語学習で日本語能力の発達に問題が出るのではないかと考える親もいるが、玉川大学教職大学院の佐藤久美子名誉教授は「日本で暮らす普通の日本人家庭の子供なら心配は無用」と言う。一方、父と母で母語が異なるなどのバイリンガル家庭では、子供が言語を混同し、言葉の獲得が遅れるケースもある。

では実際、子供の英語力を育てるために何をどうすればいいのか。専門家に一致する見解は、「楽しくなければいけない」ということ。何かを教え込もうと思ってはいけない。専門家に聞いた家庭でできる英語学習のコツを紹介しよう。

■親子で歌う

英語の歌を楽しく聞くだけでなく、子供向けの歌を親子で一緒に歌ったり踊ったりするのはさらに効果的だ。「大きな栗の木の下で」などおなじみの日本の歌の英語版も子供は喜ぶ。リズムに乗せて単語を唱える「チャンツ」も言葉を反復して覚えるには効果がある。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

韓国輸出、5月は前年比-1.3% 米中向けが大幅に

ワールド

米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」

ワールド

ガザ停戦案、ハマスは修正要求 米特使「受け入れられ

ワールド

米国防長官、「中国の脅威」警告 アジア同盟国に国防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 9
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中