最新記事

ミャンマー

ロシア、ミャンマー情勢めぐり欧米の制裁措置をけん制 EUは追加措置へ

2021年4月7日(水)09時38分

ロシア政府は4月6日、ミャンマー国軍によるクーデターとデモ弾圧に対応した欧米の制裁措置に関して、内戦を引き起こす恐れがあると述べてけん制した。写真はミャンマーの抗議デモの様子、ソーシャツメディアより。4日撮影(2021年 ロイター/Dawei Watch)

ロシア政府は6日、ミャンマー国軍によるクーデターとデモ弾圧に対応した欧米の制裁措置に関して、内戦を引き起こす恐れがあると述べてけん制した。一方、フランスは欧州連合(EU)が国軍への制裁を強化すると表明した。

ミャンマーでは民主派のデモと不服従運動が各地で続いており、最大都市ヤンゴンのデモ参加者はこの日、治安部隊の弾圧による流血の象徴として、道路に赤い塗料を吹き付けた。

ミャンマーの人権団体、政治犯支援協会(AAPP)によると、2月1日のクーデター以降、子供数十人を含む約570人が軍兵士や警察によって射殺され、3500人近くが治安部隊に拘束された。事実上の国家指導者だったアウン・サン・スー・チー氏も拘束されたままだ。

インタファクス通信によると、ロシア外務省はミャンマー軍当局に対する制裁は無意味で非常に危険だと主張。制裁は「互いへの対抗心をあおり、最終的にはミャンマー国民を全面的な内戦に追いやることになる」とした。

ロシアはミャンマーへの主要な武器供給国で、ロシアのフォミン国防次官は先月、ミャンマーの首都ネピドーで国軍のミン・アウン・フライン総司令官と会談し、軍政を正当化しているとの批判を招いた。

一方、フランスのルドリアン外相は、EUは全加盟国によるミャンマー国軍系企業への制裁を発動する見通しだと述べた。

EUは先月、クーデターとデモ弾圧に関連する複数の個人に制裁を導入し、米国も複数の個人や国軍系企業に制裁措置を発動した。

7日に予定されているデモでは中国製品を燃やす抗議行為が呼び掛けられている。デモ参加者の多くは、国軍の味方とされる中国に反発している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、インフレ巡り意見分かれる 関税やユーロ高も

ビジネス

米週間新規失業保険申請、5000件減の22.9万件

ビジネス

天然ガス世界需要、50年までに昨年水準比20%以上

ワールド

ロシアがキーウに大規模攻撃、18人死亡 EU代表部
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「どんな知能してるんだ」「自分の家かよ...」屋内に侵入してきたクマが見せた「目を疑う行動」にネット戦慄
  • 3
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ」とは何か? 対策のカギは「航空機のトイレ」に
  • 4
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 5
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 6
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 7
    「1日1万歩」より効く!? 海外SNSで話題、日本発・新…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    イタリアの「オーバーツーリズム」が止まらない...草…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中