最新記事

新型コロナウイルス

「O型の人は新型コロナにかかりづらく、重症化しづらい」との研究結果

2020年10月20日(火)17時50分
松岡由希子

世界各地で新型コロナウイルスと血液型の関係について調査が行われている...... busracavus-iStock

<世界各地の調査で、O型の人は新型コロナウイルス感染症にかかりづらく、重症化しづらい、との研究結果が発表されている......>

新型コロナウイルス感染症の罹患リスクや重症化リスクと血液型との関係について、世界各地で研究がすすめられている。

2020年3月には、中国・南方科技大学の研究チームが、武漢と上海の新型コロナウイルス感染症患者2173名を分析し、「A型の人は罹患リスクが高く、O型は低かった」とする未査読の研究論文を発表。

米マサチューセッツ総合病院(MGH)では、3月6日から4月16日までにマサチューセッツ州で陽性が確認された新型コロナウイルス感染症患者1289名を分析し、「O型の人は他の血液型に比べて陽性になりづらかった」と報告している。

イタリアとスペイン、デンマーク、カナダでも調査

3月以降の第一波で打撃を受けたイタリアとスペインの新型コロナウイルス感染症患者1980名を対象とする研究論文でも「O型の人は新型コロナウイルス感染症にかかるリスクが低く、A型はより高い」ことが示された。そして10月14日には、これまでの研究成果とも整合性のある2つの研究論文が、アメリカ血液学会(ASH)の学術雑誌「ブラッド・アドバンシス」において相次いで発表されている。

1つ目の研究論文は、デンマーク・オーデンセ大学病院(OUH)が2月27日から7月30日までに新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けたデンマーク人47万3654名を分析したもので、「O型の人は、他の血液型に比べて、新型コロナウイルス感染症の罹患リスクが低い可能性がある」と結論づけている。これによると、デンマーク人口の41.69%が0型であるにもかかわらず、陽性患者7422名のうちO型が占める割合は38.4%にとどまった。

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の研究チームがまとめた研究論文では、「O型またはB型の新型コロナウイルス感染症患者は重症化しづらい」ことが示されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ロイターネクスト:投資適格企業の起債、来年増加 A

ワールド

トランプ政権、H─1Bビザの審査強化指示 「検閲」

ビジネス

ロシアサービスPMI、11月は半年ぶり高い伸び 新

ビジネス

新発30年債利回りが3.445%に上昇、過去最高水
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中