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台湾の力量

北京ではなく南へ 台湾・蔡英文が加速させる「新南向政策」の展望

COVID-19 AND TAIWAN’S FOREIGN POLICY

2020年8月5日(水)12時40分
江懷哲(台湾アジア交流基金研究員)

今回のコロナ危機でも、台湾は「中国の一部」という認識に悩まされてきた。2月上旬にはベトナムとフィリピンが、感染の震源地だった中国を発着する航空機だけでなく、台湾便の乗り入れも禁じた。台湾政府の抗議でようやく撤回されたが、それほどまでに「台湾は中国の一部」という歴史認識は強く、新南向政策の障害となっている。

蔡の2期目は5月20日にスタートした。蔡は米中貿易戦争やコロナウイルス感染拡大に目配りしつつ、新南向政策を慎重に進めていかねばならない。最大の支援国であるアメリカが南アジアに熱い視線を注いでいる今だからこそ、台湾が外交政策の舵取りを誤るわけにはいかない。

現時点で、台湾の医療・産業部門はいい位置に付けている。衛生福利省はアジアの7カ国で「1国1研究所」プログラムを立ち上げ、製薬や健康関連産業のサプライチェーン構築に取り組んでいる。

高等教育の分野でも、台湾は医療や公衆衛生における大学院レベルの教育で実績があり、東南アジア諸国に売り込めるだろう。もとより技術水準は高いから、協力を深めればアジア諸国とウィン・ウィンの関係を築けるはずだ。

新型コロナウイルスがもたらした世界の危機はやがて終わる。しかし自らの存在を懸けた台湾の闘いに終わりはない。国際社会の流れに翻弄される運命を、自力で変えることはできない。生き残るためには、台湾政府が自ら長期的な戦略を立て、変化に対応していく必要がある。

大事なのは新南向政策で結果を出すことであり、それを追い風として南への関与を続けることだ。まだ、道は半ばである。

From thediplomat.com

<2020年7月21日号「台湾の力量」特集より>

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