最新記事

ゲーム

韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「あつまれ どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義

2020年6月19日(金)18時10分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

韓国でNintendo Switch購入のために並ぶ人びと 연합뉴스 Yonhapnews/YouTube

<昨年夏、韓国に吹き荒れた反日の嵐は今──>

新型コロナウイルスのパンデミックで世界中が巣ごもり生活を始めた頃、「外出したい!人と関わり合いたい!」という人びとの救世主となったのが、任天堂から3月20日に発売されたゲーム『あつまれ どうぶつの森』(以下、「あつ森」)だった。

2001年に第1作が発売されたシリーズの最新作だが、このゲームは一般的なストーリーがあるゲームとは違い、特に決まったエンディングがあるわけでもなく、自分の所有する島での疑似ライフを楽しむものである。友達の島にも遊びに行けるなどの機能もあり、コロナ禍で外出できなくても、ゲーム内で友人とバーチャル交流できる点も、社会現象になった爆発的人気の一つの要因だろう。発売と同時に日本はもとより、世界各国で記録的売り上げを叩き出し、売り切れが続出した。

日本製品が御法度だった韓国でも

お隣の国、韓国では昨年から日韓貿易紛争に影響を受けた日本製品不買運動が行われており、一部ネットでは「どうぶつの森も不買運動の対象商品だ。買わないように」という呼びかけも行われていた。ところが蓋を開けて見ると、韓国民の購買欲はそんな声も吹き飛ばしてしまったようだ。他の国々同様の記録的な売り上げを出している。

具体的な数字を見てみよう。任天堂スイッチの韓国内の流通会社であるDaiwon Mediaが6月12日に発表した「企業説明会(IR)資料」によれば、2020年四半期(1〜3月)の「あつ森」の販売数は28万7590本。そしてゲーム機本体のNintendo Switchの販売量は8万2848台だった。Switchは2017年12月にすでに韓国内で発売されていたが、「あつ森」発売のタイミングと同時に売り上げが急増。前年同時期より30.4%アップしている。これは、2年目にして、「あつ森」効果により、再び販売量が急増したということだ。

【話題の記事】
中国は38分で配布完了!? コロナ給付金支払いに見る彼我の差
・東京都、新型コロナウイルス新規感染41人 6月の感染合計440人に
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・感染者・死者ともにASEAN最悪に インドネシア、新型コロナ感染拡大しても規制緩和の愚策
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中