最新記事

ゲーム

韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「あつまれ どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義

2020年6月19日(金)18時10分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

ネット通販の割引きで56万件の問い合わせ

さらに、「あつ森」人気を表すような出来事も起こった。フラッシュマーケティングの通販アプリで有名なTMONは、先月20日に「ARSタイム」という特別イベントを行った際、「どうぶつの森スペシャルエディションのNintendo Switchを割引価格(299000ウォン)で買える」という商品を出した。すると、たった1時間で56万通、1秒間に156件という記録的な数の問い合わせ電話が殺到したという。無料のプレゼントでもなく、割引価格での抽選販売にも関わらずこの人気に注目を集めた。

冒頭でもふれたように、新型コロナのパンデミックが始まる前までは、韓国ではまだ日本製品の不買運動が続いていた。実際にその影響を受けた日産、オリンパス、GUなどが韓国からの撤退を発表している。

本人の都合で不売をする国

当然のように「あつ森」も発売前には、一部ネチズンが「不買運動を続けよう。ゲームを買わないように」と呼びかけ、20日の発売後も多数のコミュニティーサイトでは売れ行き好調に対する批判的な意見がいくつも投稿されているのを目にした。

誠信女子大学のソ・ギョンドッ教授は、今月8日自身のFacebookに「最小限の自尊心を守ってほしい」という文章を投稿している。それによると「コロナ感染に注意すべきなのに、ゲームが発売された先月末、市民が製品を買い求め、ソウル龍山の電子商店街の店頭に長蛇の列を作った」という文を写真と一緒に掲載し、「もちろん不買運動を強要することはできない。 ひとりひとりの選択を尊重する。しかし私たちはもう一度考えるべきではないだろうか」と疑問を呈した。

去年ユニクロの不買運動が行われるなか、ヒートテックの無料贈呈が行われると、人びとがユニクロに詰めかけた例を引合いに出して「(無料贈呈)写真が日本でも報道され、日本のネチズンから多くの非難と嘲弄を受けた」「今回も任天堂のゲームが品切れになるほどの人気について、日本のメディアでも取り上げられ、日本のネトウヨたちが"本人の都合で不売をする国"、"韓国の独特な御都合主義"と批判されている」と主体性のない韓国の不買運動を嘆いている。


【話題の記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染41人 6月の感染合計440人に
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・感染者・死者ともにASEAN最悪に インドネシア、新型コロナ感染拡大しても規制緩和の愚策
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中