最新記事

マレーシア

コロナ禍のマレーシアで始まった「ドラえもん大喜利」

2020年4月2日(木)19時39分
海野麻実(記者・映像ディレクター)

マレーシアの人権団体がつくったバナー。ドラえもんが「僕は女性を見下しません!」と叫んでいる

<東南アジアで新型コロナウイルスの感染者が最も多いマレーシア。外出禁止令も出たこの国で、政府の不手際によって日本のドラえもんが思わぬ「炎上」をしている>

思わぬところで「ドラえもん」が炎上している。

舞台は東南アジアのイスラム教国マレーシア。現在、新型コロナウイルスの感染者が東南アジアで最も多く、アジアで初めて国境封鎖が実施され、事実上の外出禁止令が2月中旬から出されている。今、世界各地で「外出禁止ストレス」によるDV被害が報告され、国連も警鐘を鳴らし始めている中で、マレーシアの政府機関が自宅での夫婦喧嘩や言い合いを少しでも避けるために妻がどう振る舞うべきか、SNSでドラえもんを引き合いにアドバイスを試みた。しかし、その内容がいささか女性たちの反感を買ってしまったようで――。

マレーシアの女性・家族・社会開発省が3月30日にFacebookやインスタグラムを通じて投稿したのはこんな内容だ。洗濯物を夫とともに干している夫婦のイラストの脇にコメントでこう書いてある。

「『ねえ、あなた。これが洗濯物を干すときに洋服を吊る正しい方法よ』とドラえもんの声を真似て、おしとやかにクスクスとはにかみながら、女性らしく笑いましょう!」

夫への文句は控えめに、妻はユーモラスな言葉やフレーズを使うべきだ、とも書かれている。

malaysiadoraemon01.png

「ドラえもんの声を真似てはにかみながら笑いましょう」とアドバイスをして非難を浴びた投稿(マレーシアの女性・家族・社会開発省のフェイスブックより、現在は削除)


外出制限中の自宅での服装についても、パジャマのような「部屋着」を身に着けることを避け、「あなた自身をいつも通りに仕立てましょう、お化粧をして、きちんとした服装を心がけましょう」などとアドバイス。さらに、夫に皮肉を言う前に、20秒数えていら立ちを鎮めるのも効果的だとした上で、「ダイニングテーブルや台所、リビングルームは清潔に保つ」ことも奨励した。

あくまでユーモアの一つとしてドラえもんを登場させてみた、言ってみれば悪意のない投稿であったわけだが、女性たちからは性差別・女性蔑視だと非難轟々のコメントが相次いだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウィットコフ米特使がモスクワ到着、プーチン氏と会談

ワールド

中国のベネズエラ産原油購入、公正な価格で=米当局者

ビジネス

米11月PCE価格指数2.8%上昇、伸び加速

ワールド

米中首脳会談、年内最大4回の可能性 関係「良好に均
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている「とてつもなく巨大な」生物...その正体は?
  • 4
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 5
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    ノーベル賞に選ばれなかったからグリーンランドを奪…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中