最新記事

経済活動再開

独、16州知事が一部店舗の営業許可 メルケル「第2波回避に向け自粛を」

2020年4月21日(火)07時16分

ドイツでは新型コロナウイルスの感染拡大抑制のために実施された約1カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)を経て、今週から一部の店舗が営業再開を始めた。ハーナウのショッピングモールで撮影(2020年 ロイター/RALPH ORLOWSKI)

ドイツでは新型コロナウイルスの感染拡大抑制のために実施された約1カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)を経て、今週から一部の店舗が営業再開を始めた。一方、メルケル首相は流行第2波を回避するため、営業自粛継続を呼び掛けている。

国内16連邦州の知事による合意の下、自動車ディーラーや自転車ショップ、書店など800平米の店舗が今週から営業再開することが認められた。

もっとも、新型コロナ抑制措置の緩和は段階的で、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)措置は5月3日まで実施。学校再開も2週間後の5月4日で、最終学年の生徒から優先される。美容院の再開はその後となる見込み。メルケル首相と州知事らは4月30日に再び会合し、5月3日以降の展開について協議する。

ドイツ周辺国では、チェコ共和国でファーマーズマーケットや工芸品店、自動車ディーラー、ペットサロンなどが営業を再開。オーストリアでも先週火曜から抑制措置が緩和され、ホームセンターや園芸用品店、小規模店舗などが再開。5月中旬から美術館や図書館も再開される見通し。ルクセンブルクでも同様の店舗が再開されるという。

一方、メルケル首相は与党・キリスト教民主同盟(CDU)の幹部らに対し、国内の感染リスクは依然高いと指摘。記者団に対しては、抑制措置の緩和による感染率への影響を確認するには14日かかるとし、「引き続き警戒し自粛する必要がある」と述べた。

また尚早な措置緩和によって感染が急拡大する恐れがあるとし、感染が再び急拡大した場合には再び抑制措置を強化しなければならないとした。

ドイツで確認された新型コロナ感染者数は米国、スペイン、イタリア、フランスに続き世界で5番目に多い。19日時点の感染者数は前の日から1775人増え14万1672人に達したが、新たな感染者数は2日連続で減少。死者数は110人増加し4404人となった。

[ベルリン/フランクフルト ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・コロナ抗議デモ拡大、トランプが反抗をけしかけ「ミシガンを解放せよ」
・シャープ、三重工場製マスク個人向けに販売開始 21日から50枚入りで2980円
・英オックスフォード大チームが新型コロナワクチン生産へ「9月までに100万回分のワクチン準備」
・夏には感染は終息する、と考えていいのか?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米5月PCE価格、前年比2.3%上昇 個人消費支出

ビジネス

中国人民銀、経済状況に応じて効果的に政策対応 金融

ビジネス

利下げ今年2回予想、一時停止の可能性も=ミネアポリ

ビジネス

ドイツ政府委、最低時給の段階的引き上げ勧告 27年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 2
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉仕する」ポーズ...アルバム写真に「女性蔑視」批判
  • 3
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事実...ただの迷子ですら勝手に海外の養子に
  • 4
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 5
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 6
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 9
    富裕層が「流出する国」、中国を抜いた1位は...「金…
  • 10
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中