最新記事

感染症対策

英オックスフォード大チームが新型コロナワクチン生産へ「9月までに100万回分のワクチン準備」

2020年4月20日(月)12時36分

新型コロナウイルスのワクチンを開発している英オックスフォード大学の研究チームは、臨床試験で効果が確認されるか否かに関わらず、9月までに投入できるよう生産体制を整えていると明らかにした。写真はロンドンで撮影(2020年 ロイター/Toby Melville)

新型コロナウイルスのワクチンを開発している英オックスフォード大学の研究チームは17日、臨床試験で効果が確認されるか否かに関わらず、9月までに投入できるよう生産体制を整えていると明らかにした。

各国では現在、少なくとも70の新型コロナのワクチンの開発が進められている。この研究チームの「ChAdOx1 nCoV-19」もその1つ。

研究チームは、臨床試験の第1段階の治験対象者を募っているほか、臨床試験の結果が出る前に大量に投与できるよう、生産体制を整えている。

オックスフォード大学のエイドリアン・ヒル教授は、ネットでの説明会で「リスクを承知でこのワクチンの生産を始めた。小規模ではない。世界中で7カ所の製造業者のネットワークを活用している」と述べ、「目標は、9月までに約100万回分のワクチンを準備することだ」と説明した。英国、欧州、インド、中国の生産パートナーと協力していると明らかにした。

製造コストは数千万ドルに達し、効果を実証する前に生産を開始する投資リスクも認識しているという。どのように資金を確保しているか詳細は明らかにしていない。

数週間以内にまず18─55歳の人を対象に中期段階の臨床試験を行い、その後対象を高齢者に広げる。今年の夏の終わりごろには約5000人を対象に臨床試験の最終段階を行いたい考えという。

臨床試験で好ましい結果が出ることに「かなり自信がある」としている。

仮に効果が確認できた場合、より多くの人に投与できるのはいつ頃になるかとの質問に対してヒル教授は、最良のシナリオは、規制当局が「緊急活用の承認」を出すことだとし、そうした承認は恐らく、データで効果があるかどうかが確認できた時点から6週間以内になると説明。それを踏まえると、9月に効果が確認された場合、それから約6週間後には多くの人への投与が可能になるとの見方を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス、なぜ再び陽性になる? 韓国で進む研究と新たな疑問
・イタリア、新型コロナウイルス死者増加が小幅加速 全土封鎖の成果いまだ出ず
・国連「アフリカ、新型コロナウイルスで30万人死亡・2900万人が極度貧困の恐れ」
・新型コロナウイルス、モノの表面にはどのくらい残り続ける?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

旧村上系がフジHDの不動産事業に買収意向、3500

ワールド

トランプ氏、空港保安職員給与支払い巡り大統領令発出

ビジネス

クックFRB理事、イラン戦争でインフレリスク拡大と

ワールド

再送トランプ氏、イランのエネルギー施設攻撃を再延期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 3
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRANG』に託した想い、全14曲を【徹底分析】
  • 4
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 5
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 6
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    トランプが誤算? イラン攻撃延期の舞台裏、湾岸諸国…
  • 9
    「予想よりも酷い...」ドラマ版『ハリー・ポッター』…
  • 10
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中