最新記事

感染症対策

緊急事態宣言で施設利用制限が可能に、今は出す状況にない=菅官房長官

2020年3月27日(金)11時00分

菅義偉官房長官は27日閣議後の会見で、東京都での新型コロナウィルス感染者の急拡大を受けて緊急事態宣言を発動するかどうかについて、国民生活への影響が大きいため慎重な判断が必要であり、現時点では宣言を出す状況ではない、との従来の見解を繰り返した。写真は2017年8月、首相官邸で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

菅義偉官房長官は27日閣議後の会見で、東京都での新型コロナウィルス感染者の急拡大を受けて緊急事態宣言を発動するかどうかについて、国民生活への影響が大きいため慎重な判断が必要であり、現時点では宣言を出す状況ではない、との従来からの認識を繰り返した。緊急事態宣言が仮に出された場合には、都道府県知事から外出自粛要請や学校や社会施設利用制限の要請・指示を行うことが可能になるとした。

東京都の小池百合子知事は26日夜、安倍晋三首相と会談した。東京都の状況について菅長官は北海道の事例を引き合いにし、道民の生活行動変化や事業者による迅速な対応により感染の急速な拡大防止に一定の効果があったと評価。「今がまさに急速な感染拡大防止に重要な局面だとの認識のもとに、東京都の対応も踏まえ、各自治体の感染拡大防止に向けて判断したものと認識している」と述べた。

そのうで「特措法に基づき、対策本部が設定したこともあり、これまで以上に各都道府県とも連携を密にして感染拡大防止に取り組んでいくものと思う」として、東京都だけでなく各自治体への対応を促した。

マスク供給については、3月は6億枚、さらに4月には1億枚を上積みすることが可能な見通しとなったとした。高齢者・介護施設に優先的に配布を行っており、遅配状況の状況には政府としても最大限の努力を行うとした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・欧州当局「新型コロナウイルス、夏に終息の公算小 高温多湿でも活発」
・新型コロナウイルス感染症で「嗅覚がなくなる」という症例が多数確認される
・新型コロナ、急がれる医薬品開発──抗ウイルス薬やワクチンがなかなかできないのはなぜ?


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍が台湾周辺で実弾射撃訓練、封鎖想定 過去最大

ビジネス

中国、来年の消費財下取りに89億ドル割り当て スマ

ワールド

カンボジアとの停戦維持、合意違反でタイは兵士解放を

ワールド

韓国大統領、1月4ー7日に訪中 習主席とサプライチ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 6
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 7
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中