最新記事

南アフリカ

「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになったおぞましい新事実

Cannibal Turned Himself Into Police Holding a Human Hand and Foot: 'I Am Tired of Eating Human Body Parts'

2018年11月15日(木)16時00分
ジェイソン・レモン

悪魔の所業(写真は記事の内容とは関係ありません) Adriane Ohanesian-REUTERS

<呪術師と3人の男たちは、古くから伝わる高価な薬で儲けしようとした。材料は人間だ>

人を食べた疑いで逮捕された男らの公判が、今週南アフリカで始まった。昨年、「もう人肉は食べ飽きた」と言って警察に出頭し、切断された人間の手やウジ虫が湧いた足を警官に見せた男たちだ。

<関連記事>「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない「仲間」たち

南アフリカ紙のサンデー・タイムズによれば、裁判はピーターマリッツバーグ高等裁判所で11月13日に開廷した。伝統的な呪術師だったその男、Nino Mbathは昨年8月、人体のパーツを持って警察に出頭し、逮捕された。同じくLungisani Magubane、Khayelihle Lamula、Sithembiso Sitholeという3人の若い男も逮捕された。Sitholeは今年7月に拘置所で自殺したが、残る2人はMbathと同様に起訴されている。

起訴状には、男らの恐ろしい所業が事細かに書かれている。彼らは人間の一部を材料に使う「muti」と呼ばれる伝統的な薬を作って大金を稼ぐため、24歳の女性ザネレ・フラチュワヨを殺害し、遺体をバラバラにしたという。全員が、無罪を主張している。

バケツには人間の内臓

検察側の証人として出廷した警察官のライアン・ンツァリンツァリは、出頭した際のMbathの様子について、人体の一部を食べるよう人々に強いられたと繰り返し主張するなど精神的に不安定だった、と証言した。「女性と性的関係を持つことも強いられた、自分は性感染症にかかって体調が悪い、などとも言っていた」とンツァリンツァリが証言した、と南アフリカのニュースサイト、ニュース24は伝えた。

警察官たちはMbathから人間の手を見せられた時、本物ではなくゴムではないかと疑った。だがウジ虫が湧いた足を見せられると、一気に警戒。Mbathについて彼の自宅に行くと、おぞましい人間の残滓が散らばっていた。

「ドアを開けると、カーテンで仕切った部屋があった。中に入ると、大量のモノとmutiがあった」とンツァリンツァリは当時の状況を説明した。人間の耳やあご、歯らしきものが入った瓶も見つかった。Mbathが見せたバケツには内臓が入っていたという。ンツァリンツァリによれば、悪臭がひどくてそれ以上中にはいられなかったという。

11月13日、公判のため出廷したMbath(手前)ら3人の被告


犠牲になったフラチュワヨの叔父であるマタイ・マバソは裁判の前日、彼女の残酷な死によって家族は悲しみに暮れている、と家族の代理として語った。

「私を敬い、話を聞いてくれる良い子だった。家族の一人として、事件は非常に耐え難い」とマバソが言ったと、サンデー・タイムズは伝えた。「ここ(法廷)に来るだけでやっとなのに。今後法廷に通い詰めるなんて無理だ」

(翻訳:河原里香)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米FDA、大塚製薬の抗精神病薬に効果懸念表明 試験

ワールド

コカ・コーラ、米で「本物のサトウキビ糖」の使用に同

ワールド

米CFTCが職員解雇を開始、連邦最高裁の削減容認受

ワールド

米司法省、コミー連邦検事補を解任 元FBI長官の娘
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 9
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中