最新記事

宇宙ベンチャー

日本初の有人宇宙飛行を目指すベンチャー企業「スペースウォーカー」の挑戦

2018年8月3日(金)14時40分
鳥嶋真也

一方で、代表取締役CEO/CMOには、アートディレクターの大山よしたか氏が就任。また元ミクシイ執行役員の辻正隆氏が取締役を務める。

同社COOの眞鍋顕秀(まなべ・あきひで)氏は、「弊社の役割は、これまで日本が培ってきた宇宙関連技術を取りまとめる"インテグレーター"となり、民間事業として有人宇宙飛行を実現すること」と語り、そのために世代や業種を超えた組織体制を構築したという。

sw003.jpg

スペースウォーカーの創業メンバー

2027年の有人宇宙飛行を目指す

同社のスペース・プレーンは、米国のスペース・シャトルとは違い、飛行機のような機体が単独で飛行し、宇宙に行って、そして帰ってくるところにある。シャトルのように打ち上げのための別のロケットは必要なく、まさに飛行機のように飛べる宇宙船となる。

そのもととなるのは、現在九州工業大学が研究している「WIRES」という小型の無人実験機である。これまでは同大学が中心となって研究や飛行実験を行ってきたが、今後、スペースウォーカーと共同で飛行実験を行うなどし、研究・開発を進める。

そしてロケットにとって一番の肝となるロケットエンジンは、IHI、IHIエアロスペースが開発を進めている、液化天然ガス(LNG)を燃料とするエンジンを採用するという。

sw004.jpg

九州工業大学が研究しているスペース・プレーンの実験機。今月、飛行実験を行う予定だという

現在の計画では、まず2021年に宇宙空間まで到達できる「サブオービタル・プレーン」を開発。続いて、機体を大型化し、さらにその背中に小さなロケットを追加で載せ、小型の人工衛星を打ち上げられるようにした機体を開発。こちらは2023年ごろの試験飛行を狙う。

そして、さらに機体を大型化した有人のスペース・プレーンを開発。2027年ごろを目処に、日本初の有人宇宙飛行を目指すという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃訓練開始 演習2日目

ワールド

キーウ郊外で停電続く、ロシア空爆後 住民は避難所で

ワールド

香港、民間住宅用地供給が増加見通し 市場の回復基調

ワールド

ゼレンスキー氏「プーチン氏を信頼せず」、勝利に米の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中