最新記事

ロシア軍事

アメリカも抜いた?ロシア製最終兵器、最新の実力

Russia's Latest Weapons: What Are They?

2018年7月23日(月)20時00分
トム・オコナー

核爆発で大都市も飲み込む津波を起こすといわれる水中ドローン「ポセイドン」 YOUTUBE

<トランプとの首脳会談では友好を演じたプーチンだが、一方では世界を破滅させかねない最新兵器を開発していた>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談が行われて3日後の19日、ロシア国防省は最新鋭の兵器を紹介するビデオを公開した。

ビデオに出てくるのはプーチンが3月の年次教書演説で開発を明らかにした複数の兵器で、なかには原子力推進式で核搭載可能な兵器や、アメリカを含む世界各国の最先端のミサイル防衛システムをかいくぐる能力があるレーザーシステムなどもある。

ビデオの中には新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「RS-28サルマト・ミサイルシステム」(西側では『サタン2』の呼び名で知られる)のテスト映像もあった。

国営タス通信によれば、ロシア国防省は声明で「(移動式発射装置を用いたミサイル)システムのテストは好成績を残して完了した。これによりRS-28の飛行テスト準備を始めることができる」と述べた。

また国防省は声明で「RS-28は予定通に生産され、戦闘配備される」と述べた。配備予定は公式には2021年とされている。

3000キロを飛ぶ「極超音速ミサイル」

プーチンは3月、RS-28について、射程距離は事実上無制限で、北極上空経由でも南極経由でも飛ばせると述べた。その際にプーチンは、フロリダと思われる場所にミサイルが着弾するシミュレーション映像を公開した。つまり、フロリダ州が丸ごと地図から消えるシナリオだ。

別のビデオでは、極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載したミグ31K戦闘機が、長距離爆撃機Tu-22M3と合同演習を行う様子が映されていた。

「戦術的飛行演習は7月上旬に行われ、長距離飛行要員が地上や海上の標的を攻撃する訓練を行った。演習は(作戦の)計画と準備、そしてキンジャールとTu-22M3の同時運用や航空打撃群の援護を目的に行われた」と、ロシアのセルゲイ・ドロノフ空軍最高司令官(中将)は述べた(タス通信)。

ドロノフは「定められた時間内で非常に質の高い訓練ができた。搭乗員たちは合同の作戦行動に必要な技術を身につけた」と語ったという。

キンジャールの航続距離は1900キロから2900キロ超へと改良され、音速の10倍の速度で飛行できると伝えられている。また、強力な通常弾頭もしくは核弾頭を搭載し、飛行中も目標を攻撃するための誘導が可能だという。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国11月鉱工業生産・小売売上高、1年超ぶり低い伸

ビジネス

防衛費増額、生産体制など国の要請に基づき対応=三菱

ワールド

焦点:ニューサム氏ら民主党有力州知事、「反トランプ

ワールド

チリ大統領選で右派カスト氏勝利、不法移民追放など掲
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中