最新記事

宇宙人

宇宙人が来たらどうする? 米国初の本格調査

2018年2月28日(水)19時30分
松丸さとみ

宇宙人が来たらどうする? 米国初の本格調査 innovatedcaptures-iStock

<「宇宙人がいたら?」初の本格調査がアメリカで行われ、友好的に迎え入れる可能性が高いことが、明らかになった>

「宇宙人がいたら?」初の本格調査

宇宙人が地球にやってくる姿、としてハリウッドでよく描かれているのは、攻撃をしかけられる様子だ。しかしそんな映画でよくみる光景とは裏腹に、もし実際に宇宙人が地球にやってきたら米国人たちは、友好的に迎え入れる可能性が非常に高いことが、このほど行われた調査で明らかになった。英紙インディペンデントなどが伝えている。

調査を行なったのは、アリゾナ州立大学で心理学を教えるマイケル・バーナム准教授だ。地球外生命が地球にやってきたら人々は一体どんな反応をするのだろうか? この疑問について、これまで実験に基づいた調査が行われたことがなかったのが、今回の調査の動機だという。

地球外生命の存在を示唆する報道への反応を分析

バーナム准教授のチームは、次の3つの実験を行なった。

1つ目は、地球外生命の存在を示すとして過去に発表された3つの発見に関するメディア記事15本について調べた。ソフトウェアを使い、報道記事で使われている言葉の表現がポジティブなものか、ネガティブなものかを分析したのだ。3つの発見とは、(1)1996年にアメリカ航空宇宙局(NASA)が発表した、火星の隕石から微生物の化石らしきものを発見したこと、(2)2015年に発見された「タビーの星の減光」、(3)2017年に恒星のハビタブルゾーンに地球に似た惑星が発見されたこと、の3つだ。分析の結果、これらを伝える記事は著しくポジティブな表現が多かったという。

2つ目の実験は、米国在住の約500人を対象にオンラインで調査を行なった。もし宇宙で微生物が発見されたらと仮定し、自分はそれにどう反応すると思うか、そして人類全体はどう反応すると思うかについて、それぞれ答えてもらった。

3つ目の実験は、先ほどとは別の約500人を2つのグループに分けて行なった。1つのグループには、火星の隕石から古代の微生物が見つかった、というニューヨーク・タイムズの記事を読んでもらった。もう1つのグループには、科学者が合成生命体の細胞の生成に成功した、という記事を読んでもらった。それぞれの記事に対する反応を書いてもらい、分析した。

これらの3つの実験の結果は、学術誌「フロンティアズ・イン・サイコロジー」に発表された。発表記事によると、3つの実験を通じて全体的に反応はポジティブで、一般的に地球外生命はリスクよりも恩恵をもたらすと考えられているようだった。また、年齢や性別、収入などでの大きな違いは見られなかったという。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエル・イラン停戦支持 核合意再交渉

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、短期的な過熱感で利益確定

ビジネス

サウジ政府系ファンドPIF、24年決算は60%減益

ワールド

米制裁法案、実施ならウクライナ和平努力に影響=ロシ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 6
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中