最新記事

健康

熱々のお茶は要注意 飲み方によって食道がんのリスクを5倍に

2018年2月19日(月)17時30分
松丸さとみ

お茶の飲み方によって、食道がんのリスクを5倍に kupicoo-iStock

<お茶の飲み方によっては、食道がんのリスクを5倍にも上げてしまう可能性が分かった。ポイントは、「飲む温度」と「お酒」、「たばこ」だ>

中国で45万人以上を9年間追跡して研究

お茶というと一般的に、「体にいい飲み物」というイメージが強い。英国がん研究所(Cancer Research UK)も、緑茶や中国茶ががんに効くという証拠はない、としながらも、がんのリスク低減につながる可能性があるとして緑茶(中国茶)のページを設けているほどだ。

しかしこのほど発表された研究により、お茶の飲み方によっては、食道がんのリスクを5倍にも上げてしまう可能性が分かった。ポイントは、「飲む温度」と「お酒」、「たばこ」だ。

中国の北京大学公共衛生学院の研究チームが実施。中国の10の地域で30〜79歳の参加者45万6155人を9年間にわたって追跡した。研究結果は、医学誌アナルズ・オブ・インターナル・メディシンに発表されている。

食道がんのリスク要因として熱いお茶が過去に挙げられたことがあるが、その関連性について一貫した観察がなされたことがなかったこと、そしてアルコールやたばことの関連性が評価されたこともなかったことが、今回の研究の背景だと研究チームは説明している。

調査開始前にすでにがんがあった人や、調査期間中にお茶の消費量を減らした人は、結果から除外された。調査の初めに、研究の参加者には通常自分がお茶を飲む時の温度やライフスタイルを報告してもらった。追跡期間終了時には、1731件の食道がんが報告されたという。

熱いお茶+お酒でリスクは5倍に

結果として研究チームは、熱いお茶が食道がんのリスクを高めるのは、過剰なアルコールまたはたばこと組み合わされる時である、と結論づけている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米中関係の「マイナス要因」なお蓄積と中国外相、米国

ビジネス

デンソーの今期営業益予想87%増、政策保有株は全株

ワールド

トランプ氏、大学生のガザ攻撃反対は「とてつもないヘ

ビジネス

米メルク、通期業績予想を上方修正 抗がん剤キイト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中