最新記事

米中関係

トランプ籠絡で習近平は高笑い

2017年11月16日(木)11時40分
シャーロット・ガオ

11月8日に故宮を訪れたトランプ夫妻と習夫妻 Jonathan Ernst-REUTERS

<手厚い接待を受けたトランプは対中批判を封印。中国は外交上の勝利を国内外に強く印象付けることに成功した>

ワシントン・ポスト紙の北京支局長を務めたジャーナリストのジョン・ポムフレットは最近の同紙への寄稿の中で、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席に向けて警告を発した――「アメリカ大統領の虚栄心をくすぐるだけで」米中関係の「危機を回避」できると思うな、と。

しかし、習の考えは違うらしい。この方法を実践すれば、単に危機を回避できるだけにとどまらず、勝利を手にできると思っているようだ。

実際、今回のドナルド・トランプ米大統領の中国訪問により、中国は対米関係だけでなく、国内的にも国際的にも大きな勝利を収めたと、少なくとも中国政府はみている。

はっきり言えるのは、習が「虚栄心をくすぐる」ことにより、トランプのハートをつかんだということだ。中国はトランプを「国賓を上回る」待遇でもてなし、11月8日には明朝と清朝の皇帝の居所だった北京の故宮(旧紫禁城)で夕食会も開いた。49年の共産中国建国以来、故宮に外国首脳を招いて夕食会が行われたのは初めてだ。

中国側は夕食会の内容について詳細を明らかにしていないが、トランプは「最高以上」だったと述べている。翌9日には、首脳会談前に習を持ち上げた。「昨晩の会合は本当に最高だった。そして、夕食会はそれに輪を掛けて素晴らしかった......美しいご夫人と、妻のメラニアと共に一瞬一瞬を楽しんだ」

トランプはツイッターへの書き込みでも、中国を繰り返し称賛した。しばらく、自らのツイッターアカウントの背景画像を習と彭麗媛(ポン・リーユアン)夫人と一緒に写った写真に替えていたほどだ。

ビジネスの面では、トランプの訪中に合わせて米中の企業間で総額2534億ドルの商談がまとまった。これは、米中貿易の歴史上で過去に例のない規模だ。中国の鐘山(チョン・シャン)商務相は、この成果について「本当に奇跡的な出来事」だとたたえた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ホルムズ海峡で貨物船に飛翔体、火災発生で乗組員避難

ビジネス

米オープンAI、チャットGPTに動画生成Sora導

ビジネス

Cboe、ビットコインETFオプションのボラ指数導

ワールド

タイ経済、潜在成長率下回り部門間にばらつき=中銀議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 8
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 9
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 10
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中