最新記事

健康

太っている子はスリムな子の2倍嫌われる

2017年6月13日(火)10時36分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

StaffordStudios-iStock.

<太りすぎの子供は、身体的な問題だけでなく、健全な社会性までも培えない可能性が>

肥満体型の子供は、標準体型の子供に比べて友達ができにくいことが判明した。南カリフォルニア大学で予防医学を研究するケイラ・デ・ラ・ハイエ助教授は7日、科学系ニュースサイト「ライブ・サイエンス」で、「太った子供は仲間外れになっている」と指摘。さらに「拒絶と嫌悪を受けることで社会性が養われないリスクもある」と警鐘を鳴らした。

研究はオランダのとある高校の28クラス504人を対象に行われた。身長と体重を測定したうえでアンケートを実施。友人だと思う人と、嫌われていると思う人の名前を人数制限なく挙げるよう指示した。

結果は一目瞭然だった。70%のクラスで太っている子よりもスリムな子のほうが、友人と見なされる傾向にあった。そして肥満の子たちは、スリムな同級生より嫌われる確率が1.7倍高かった。

【参考記事】法律でデブを治せるか

5人に1人が肥満

米疾病対策センター(CDC)によれば、今やアメリカの未就学児童の5人に1人が肥満に苦しんでいるという。今回の結果を受けて研究者らは、肥満に起因する様々な問題を解決する手がかりになると考えている。

ハイエ助教授によれば、周囲が肥満を敬遠することが、肥満児に減量を決意させる動機付けになるという証拠はない。その一方で、肥満であれば社会的、精神的にリスク要因になるという証拠は多い。高カロリー食品を好んで食べる肥満児は、さらに活動的でなくなり、似た者同士で集まる傾向にある。

【参考記事】ミシェル・オバマが立ち上げた子供の肥満撲滅作戦は、肥満児の自尊心を傷つけ、人々の偏見を助長するだけ

ワシントン・ポスト紙 によれば、2015年にアメリカで、肥満の子供を持つ親にアンケート調査を行った結果、95%の親が自分の子供のサイズは丁度良いと考えていた。ニューヨーク大学メディカルセンターのダスティン・ダンカン助教授によるこの調査では、肥満の子を持つ親は正常な体重に関する知識や感覚が欠如していることが明らかになった。

肥満の幼稚園児は小学校に進学しても肥満の可能性が高く、肥満の小学生はそのまま思春期に入り、成人になっても肥満は続く。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

フィリピン大統領、台湾有事巡る発言で中国が「誤解」

ビジネス

トランプ氏、中国に米国産大豆購入拡大を要望 「早急

ビジネス

アングル:欧州の古い発電所、データセンター転換に活

ワールド

豪もパレスチナ国家承認へ、9月国連総会で イスラエ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 2
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 3
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋肉は「光る電球」だった
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中…
  • 7
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中