米債券市場、26年はリターン縮小か 利下げペース鈍化などで
米債券市場は2025年、投資家に大幅なリターンをもたらしたが、26年は昨年に比べて厳しい年となりそうだ。写真はニューヨーク証券取引所のテレビに映るパウエルFRB議長、昨年12月撮影(2026年 ロイターS/Brendan McDermid)
Davide Barbuscia
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米債券市場は2025年、投資家に大幅なリターンをもたらしたが、26年は昨年に比べて厳しい年となりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが落ちるとともに、トランプ米大統領の財政刺激策が長期債相場を圧迫する可能性があるからだ。
25年はFRBが合計75ベーシスポイント(bp)の利下げを実施し、米債相場の追い風となった。期間1年以上のドル建て債を反映するモーニングスター・US・コアボンド・TR・YSD指数を見ると、トータルリターンは約7.3%で、2020年以来で最高だった。この指数には投資適格級の国債と社債が含まれる。
多くの市場関係者は、今年の市場環境も昨年とやや似ているが、昨年並みのトータルリターンを達成するのは難しいとみている。
市場が織り込むFRBの利下げ幅は約60bpで、昨年より小幅だ。しかもトランプ氏の減税・財政支出政策が成長率を押し上げることで、米国債利回りは昨年ほど大幅に下がりにくくなるだろうと一部の投資家は言う。
ロックフェラー・グローバル・ファミリー・オフィスのジミー・チャン最高投資責任者は「FRBは少なくとも1、2回追加利下げを実施しそうなので、短期の国債利回りは低下し続けるだろう。同時に景気の再加速によって長期債利回りが押し上げられる可能性がある。(中略)これはトータルリターンに悪影響を及ぼすかもしれない」と述べた。
10年物米国債利回りは25年に40bp余り低下して年末には4.1%前後となった。利下げに加え、労働市場を巡る懸念が高まったことが相場を支えた。
26年にこうした状態が再現されると予想する関係者はほとんどおらず、多くは26年末の10年国債利回りが現水準か、これをわずかに上回る水準になると予想している。
JPモルガンのアナリストチームは、年末の10年物国債利回りを4.35%、BofAセキュリティーズの金利アナリストチームは4.25%と、それぞれ予想している。
ナビーンのアンダース・パーソン最高投資責任者は、10年物国債利回りが約4%に低下すると予想しつつも、長期債全般のパフォーマンスについては慎重な見方をしている。世界的な政府債務水準の上昇により、利回りが押し上げられる可能性があるためだ。
パーソン氏は、長期債の方が利回り上昇の影響を受けやすいとみて、「デュレーションをアンダーウェート」に保っている、つまり長期債の保有比率を低く抑えていると語った。
<信用スプレッドは拡大か>
投資適格級社債の米国債に対する信用スプレッド(上乗せ利回り)は、12月29日時点で約80bpと、年初とほぼ同水準で、1998年以来の最低に近い。
JPモルガンは、テック企業の社債発行が増える見通しであることなどから、同信用スプレッドが26年には110bpに拡大し、投資適格級社債のトータルリターンは3%に低下する可能性があるとみている。
これに対してBNPパリバは、信用スプレッドが26年末も80bpで変わらないと予想している。
マニュライフ・ジョン・ハンコック・インベストメンツの共同最高投資ストラテジスト、エミリー・ローランド氏は、26年は景気が減速し、FRBは市場が織り込んでいるよりも積極的な利下げを行うとの見方に立ち、「質の高い」債券の相場に楽観的だ。同氏は「当社が2026年に訪れると予想しているディスインフレと景気減速を、債券市場はかぎつけていない」とし、「当社の見方では、債券は基本的にもっと上昇するはずだ」と語った。





