しかし今年4月6日、7日の米中首脳会談以降、米中蜜月となってしまった今では、中朝軍事同盟の破棄は北朝鮮に強烈な威力を発揮することになろう。つまり北朝鮮を絶望的なほど恐怖に追い込むだろうということだ。
この二つのカードを使ってしまうと、「威嚇」にならないので、「使うぞ」と見せつけながら北朝鮮を追い込み、「核拡散防止条約」参加を大前提として対話のテーブルに着かせることが肝要となる。アメリカは休戦協定を平和協定に持っていき、朝鮮戦争を完全に終わらせること。これが中国の望みではある。
しかし、二枚のカードを共に使ってしまえば、後は戦争になるにちがいない。これは宣戦布告に等しい。
その時にも、中朝軍事同盟がなければ、中国はいざとなったらアメリカ側に付き、米朝で北朝鮮を管理する政権を打ち立てることもできなくはない。ただ、この道を選ばないだろうと判断されるのは、日米同盟があるからだ。中国は、日本とはどんなことがあっても「組む」ことはない。
米露が完全には接近できないのも、日米同盟があるからだ。
こうしてパワーバランスが取れているという見方もでき、着地点は中国がこの二枚のカードを「さあ、使うぞ」と見せて、米朝を対話のテーブルに着かせることしかないだろうと筆者は思っている。
ただ「破棄するかもしれない」というメッセージを環球時報が公開した事実は、非常に大きい。
トランプ大統領の要望に応えた回答が、これだったのではないだろうか。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。