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「思いついたアイデアはメモすべし」には理由がある

2017年4月6日(木)17時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 ノートに書きつけてきたのは、実現に至らなかったアイデアがほとんど。似たようなことを何度も書いていたり、本当にしょうもないことだったりしますが、通算のナンバーを見ると、とにかく数を出してきたことに少し安心します。また仕事が苦しかったときのアイデアメモを何気なく眺めていると、アイデアって尽きないんだな......と感じます。それは自分の可能性がまだ尽きていないことの証明でもあります。アイデアや企画を考え続けるという習慣が自分の中にあることを再確認するひと時です。

 細々とでもアイデアマラソンを続けていると、モチベーションが高まる効果があるみたい。「終わりのない仕事はない」がモットーのわたしとしては、期日までにはまあ何とか使えるアイデアが出るだろう、という気持ちになります。もしも死ぬまで続いたら、ちょっとした自分史ですね。考えることを習慣化するためのツールとして、トライしてみる価値はあると思います。

 ノスタルジックな使い方だけでは考具とは呼べません。アイデアマラソンは、自分専用のアイデアバンクでもあります。アイデアの貯金はタンスの奥底には仕舞わないでください。アイデア出しに困ったときにはアイデアマラソンのノートを見返しましょう。過去のアイデアたちが今日のあなたを強力にサポートしてくれます。これは頭と手を動かし続けているアイデアマンだけの特権です。アイデアがアイデアを生む、の法則はこんなところでも実感できます。考えれば考えるほど、新しいアイデアがあなたのモノになるんですね。

 業務上遭遇する課題は、いくつかのタイプに分類できることがほとんどです。広告会社の場合であれば、A社の昨日の課題が、B社の今日の課題。もちろんそのまま当てはまることはないですが、あるアイデアは次の企画のヒントです。

 そんなこといったって昔のアイデアなんて古くて使えないよ、と思いがちですが、そうでもないのですね。社会の変化は確かに激しいですが、社会を構成するわれわれ人間の本質は、そうそう変わりません。今年の流行を知るためにウン年前、ウン十年前の流行を調べるのは半ば常識。さらに他社の事例や成功したケーススタディを欲しがる人たちがなんと多いことか!

 そう、温故知新です。戦国時代の武将や孫子に学べ......よく見聞きしますね。あなたのアイデアが復活するチャンスはいくらでもあります。遠慮なく、活用しましょう。もしかしたら「早すぎたアイデア」がノートに眠っているかもしれませんよ?

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