ボリビア大統領選、中道派パス氏が首位 左派は敗北へ=出口調査

17日実施されたボリビア大統領選の序盤出口調査によると、中道派でキリスト教民主党のロドリゴ・パス上院議員が首位に立ち、与党「社会主義運動(MAS)」はこの時代で最悪の選挙結果を迎える見通しとなっている。写真はパス氏の支持者ら、17日(2025年 ロイター/Pilar Olivares)
Lucinda Elliott Monica Machicao
[ラパス 17日 ロイター] - 17日実施されたボリビア大統領選の序盤出口調査によると、中道派でキリスト教民主党のロドリゴ・パス上院議員が首位に立ち、与党「社会主義運動(MAS)」はこの時代で最悪の選挙結果を迎える見通しとなっている。
ユニテルテレビが公表した調査によれば、パス氏は得票率31.3%を獲得。一方、MASの候補者エドゥアルド・デルカスティジョ氏はわずか3.2%で他の左派候補も野党に後れを取っている。
ユニテルは保守派で自由連合の候補者のホルヘ・キロガ元大統領は27.3%で2位につけていると報じた。
いずれの候補も得票率40%以上で2位との差が10ポイント以上なければ、選挙は10月19日に上位2名の決選投票に進む。
公式結果は午後9時以降に発表される予定。
17日の選挙は40年ぶりに高いインフレ率と、左派のモラレス元大統領の不在が影を落としている。モラレス氏は立候補を禁じられていた。
国民の関心はぜい弱な国内経済に集中している。ボリビアは今年、物価上昇が他の中南米諸国を上回り、燃料や米ドルが不足している。
年間インフレ率は上昇率が1月の12%から6月に23%と倍になり、一部の国民は暗号通貨を資産保全手段として利用し始めている。
出口調査によると、有権者はMASを罰するために中道派や右派、あるいはアンドロニコ・ロドリゲス上院議長が率いる左派分派に投票した。
キロガ氏は「MAS政権下の20年間は失われた」として公共支出の大幅削減と、ベネズエラ・キューバ・ニカラグアとの同盟関係の見直しを掲げ「急進的な変革」を約束している。キロガ氏は前任の大統領の辞任に伴い2001―02年に大統領を務めた。
一方、パス氏は「50対50経済モデル」を導入し政府の分権化を図る計画だ。中央政府が公共資金の半分を管理し、残りを地方政府に分配することになるとしている。
左派陣営はルイス・アルセ大統領の支持を受けるMASの公認候補カスティージョ氏と、党から距離を置いて独自に出馬したロドリゲス氏の間で票が分散している。
モラレス氏は選挙ボイコットを呼び掛けているが、専門家は彼の影響力が低下していると指摘した。