最新記事

トランプ次期政権

トランプの娘婿クシュナーが大統領上級顧問になる悪夢

2017年1月10日(火)18時20分
エミリー・タムキン

トランプの長女イバンカと夫のジャレド・クシュナー Mike Segar-REUTERS

<甘いマスクの下は権力に飢えた冷血漢?トランプの娘婿が次期政権の要職に就くと聞いて悪夢にうなされる人も少なくない>

 トランプ次期大統領の政権移行チーム幹部は1月9日、トランプの娘イバンカの夫ジャレッド・クシュナーが大統領上級顧問に指名される見込みだとNBCニュースに語った。カザフスタンやトルコをも思わせる強権的な動きだ。

 クシュナーが経営していた企業の取引先には怪しげなところも多く、トランプ自身の事業をめぐる利益相反疑惑に輪をかけることになりそうだ。

 クシュナーはトランプの選挙運動と政権移行チームの両方で中心的役割を果たしたとされる。トランプの本当の息子たち、ドナルド・ジュニアとエリックは、不動産王の父が大統領職に就いている間、父から経営権を引き継ぐ見通しだ。

【参考記事】トランプを大統領にした男 イバンカの夫クシュナーの素顔

 クシュナーはニューヨーク市で不動産開発事業を手がけており、1月9日まではクシュナーカンパニーのCEOを務めていた。同社は世界中の企業と取引を行っており、クシュナーが政権に参加すれば、諸外国で利益相反が問題になるのではないかという声が上がっている。

 クシュナーの弁護士はそうした疑念を否定して言う。「クシュナー氏は連邦政府が定める倫理法に従うと誓っている。われわれは、政権に参加するための手続きについて、政府倫理庁(OGE)と協議してきた」

嫌われたら大変

 だがクシュナーは大統領選でも、傘下企業を通じて影響力を行使してきた。たとえば、自ら所有する週刊紙「ニューヨーク・オブザーバー」をトランプの選挙運動のためのプラットフォームとして活用し、2016年7月には「私が知っているドナルド・トランプ」と題する記事を執筆。ホロコーストを生き延びた祖母を引き合いに出し、トランプは一部の人々が非難するような反ユダヤ主義者ではないと主張した。

 オブザーバー紙のある元ライターは次のようにツイートしている。「クシュナーの下で働きながら、彼がこんなに権力を持つことについて何度も悪夢を見た」

 クシュナーの影響力は、選挙運動やメディア内から政権移行チームへと広がっている。選挙戦中、トランプの右腕的存在だったニュージャージー州知事のクリス・クリスティーを失脚させたのも、クシュナーの意向だったとされている。

【参考記事】トランプ政権移行チーム、「内紛」の真相とは

 クリスティーは元連邦検事で、クシュナーの実父を刑務所に送った経緯がある。クシュナーの実父は、脱税や証人買収、違法献金に関与していた人物で、連邦捜査局と手を組み、売春婦を使って人を陥れようとしたこともある。クシュナーが恨みを抱いていることに間違いはない。

 クシュナーは政権移行チーム内の駆け引きだけでなく、トランプの「外交」にも参加している。トランプの当選直後には、妻のイバンカとともに日本の安倍晋三首相との会談にも同席した。

【参考記事】トランプファミリーの異常な「セレブ」生活

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イランに48時間以内のホルムズ開放求め

ワールド

イラン、イスラエルの核施設付近攻撃 初めて長距離ミ

ビジネス

アングル:コーヒー相場に下落予想、「ココア型暴落」

ワールド

アングル:米公共工事から締め出されるマイノリティー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    メーガン妃、親友称賛の投稿が波紋...チャリティーの場でにじんだ「私的発信」
  • 3
    BTSカムバック公演で光化門に26万人、ソウル中心部の交通を遮断 ──「式場に入れない」新婦の訴えに警察が異例対応
  • 4
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 5
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    「日本人のほうが民度が低い」を招いてしまった渋谷…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 10
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中