最新記事

地球外生命体

宇宙人は「環境保護」のため人類を襲う

NASAの最新研究によれば、急激な地球温暖化を観測した宇宙人は、被害が地球外に及ぶ前に人類を滅亡させる可能性がある

2011年8月24日(水)16時52分

永遠の問い 宇宙人との接触は人類にとって有益か有害か Filograph-istock

 あなたがもし、終末論を唱える予言者の言葉に脅えるタイプなら、この記事は読まないほうがいい。

 世界の終わりはどのように訪れるのか──。最新のシナリオを発表したのは、ハリウッドでもカルト教団でもない。NASA(米航空宇宙局)の科学者たちだ。

 英ガーディアン紙によれば、NASAはある科学者グループに対し、考えうる宇宙人との遭遇シナリオにはどんなものがあるか調査を命じた。その調査報告書が「シナリオ分析:地球外生命体との接触は人類によって有益か有害か」だ。

 そこでは特に害はないというものから、ぞっとするようなものまで幅広いシナリオが示されている(確かに地球人を奴隷や食料にするために地球外生命体が現れる可能性はあるだろう)。その中で、宇宙人がわれわれ人類の「破壊的な拡張主義」から銀河系を守るために人類を滅亡させるだろうというシナリオがある。

 アル・ゴア元米副大統領の著書『不都合な真実』のB級続編SF小説のシナリオのように思えるかもしれない。報告書をまとめたNASA惑星科学部のグループは、人類が引き起こした気候変動を察知した宇宙人が、人類は地球外文明の脅威になると結論付けかねない、としている。

エイリアンに生物情報を漏らすな

 その時、青き地球には映画スターウォーズのような宇宙船とレーザー銃を持ったエイリアンが押し寄せるのだろう。エイリアンたちは「銀河系を人類から守るという利他的な目的のために」われわれを攻撃するかもしれないと報告書は警告する。「われわれは自分の惑星の脅威であるのと同じように、銀河系の脅威にもなり得る」


 文明は拡張するほど破壊が難しくなるため、先制攻撃は拡張が初期の段階にあるときに仕掛けられる可能性が高い。人類は今まさに急速な文明拡張の時代に突入したばかり。その拡張は温室効果ガスの排出によって地球環境に変化をもたらしているため、エイリアンに見つかりやすい状況にある。


 報告書はさらに、こうしたシナリオは「われわれの成長、さらには地球の生態系への悪影響を抑制する動機となる」と続く。「大気の状態は地球外からでも観測可能なため、温室効果ガスの排出抑制は特に重要だ」

 科学者たちはさらに、地球外生命体について探査する際、人類に関する情報を宇宙に向けて発信し過ぎることにも警鐘を鳴らす。特に人類の生物学的なデータを漏らすべきではない。われわれを攻撃するのに有効な武器を開発する助けになってしまうからだ。


GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏「非常に生産的」、合意には至らず プーチ

ワールド

プーチン氏との会談は「10点満点」、トランプ大統領

ワールド

中国が台湾巡り行動するとは考えていない=トランプ米

ワールド

アングル:モザンビークの違法採掘、一攫千金の代償は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 5
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 6
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍事力ランキング」で世界ト…
  • 10
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 7
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 8
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 9
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 10
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 6
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中