最新記事

最高機密

CIAとケネディ大統領の「密談」を公開

ベトナムやキューバやソ連について、CIAはジョン・F・ケネディにどんな報告をしていたか、その極秘資料が明かされる

2015年9月9日(水)17時00分
ジェフ・スタイン

歴史 JFKはキューバ危機に何を思い、ジョンソンはJFK暗殺に何を思ったのか Charles Ommanney / GETTY IMAGES

 歴史の証人である最高レベルの機密がついに明かされる。

 CIAが今月16日に60年代の最高機密2500件を公開すると、元情報機関職員協会(AFIO)が発表した。対象となるのは、CIAの高官がジョン・F・ケネディとリンドン・ジョンソン両米大統領に毎朝報告していた「大統領デイリー・ブリーフ(PDB)」の文書だ。

 AFIOによると、PDBは「安全保障の重要な問題に関する最高レベルの情報分析」を報告し、「大統領と副大統領のほか、閣僚レベルのごく限られた人しか聞くことはできない」。情報機関の歴史に詳しい歴史学者のクリストファー・アンドルーはかつて、PDBは世界で「最も部数が少なく、最も高度な機密扱いで、最も情報に通じている日刊紙だ」と言った。

 今回の公開により、ベトナムやキューバ、ソ連、中国について、またアフリカや中東の紛争について、両大統領がどのような報告を受けていたかが明らかになるだろう。世界の指導者に関するCIAの評価も分かるかもしれない。

 もっとも新しい発見はあまり期待できず、大きな驚きはないだろうと、作家のカイ・バードはみている。このような文書は「冷戦やベトナム戦争、中東情勢について、大統領が聞きたくないことを伝えてこそ意味がある」が、実際にはそのような報告はめったにないと指摘する。

[2015年9月 8日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ前米大統領、ドル高円安「大惨事だ」 現政権

ビジネス

米ペプシコの第1四半期決算、海外需要堅調で予想上回

ビジネス

仏ケリング、上期利益が急減の見通し グッチが不振

ワールド

トランプ前米大統領、麻生自民副総裁と会談=関係者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中