最新記事
SDGsパートナー

浄水グッズで「からだに安全な水」を世界中に...KGホールディングスが「水の格差」問題に挑む理由

2024年12月4日(水)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
エチオピアの若者たちに浄水キット「アクアリピュア」の使い方を教えるKGホールディングス代表取締役の杉本博樹氏

エチオピアの若者たちに浄水キット「アクアリピュア」の使い方を教えるKGホールディングス代表取締役の杉本博樹氏

<日本では、蛇口をひねればきれいな水をいつでも飲むことができるが、世界には戦争や災害で清潔な水が利用できなかったり、飲み水が不足していたりする地域は少なくない。こうした課題に対し、KGホールディングスは「簡単に浄水できる」製品を開発し、世界各地での設置に取り組んでいる>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

世界中できれいな飲料水が得られる浄水システムを開発

KGホールディングス株式会社は、社会インフラ整備を主たる事業とする橋梁技建株式会社の持ち株会社として、2018年に設立された企業だ。

橋梁技建が事業を通して見出した環境問題や災害時の支援、地域社会への貢献における課題に対し、新商品や新サービスの開発・提供によって貢献すべく立ち上げられた。

そして現在、KGホールディングスが力を入れているのが浄水剤の開発・提供だ。

同社の浄水剤「ポリグル」は、納豆菌が生み出すネバネバ成分であるポリグルタミン酸を利用し、水の汚れを凝集・沈殿させてから「ろ過」するという仕組み。

日本の水道局で使われている浄水技術を応用し、コンパクトにしたもので、大規模な浄水設備がなくても川や雨の水を安全な飲料水として利用することが可能となる。

簡易浄水装置から水を汲む子どもたち

簡易浄水装置から水を汲む子どもたち。生活に必要な安全な水を使えるようになった

「すでに当社の簡易浄水設備と導入剤は、バングラデシュやソマリア、タンザニア、エチオピアなど20か国以上の国で導入されています。そのまま飲むと下痢を起こしてしまうような汚れた河川を生活の基盤としているような地域でも、安全な飲料水を日常的に確保できるようになりました」と、代表取締役の杉本博樹氏は話す。

浄水剤を使用する簡易浄水設備は、大規模な設備に比べて低コストで導入できる。そのため、貧困地域でも導入が進み、現地では浄水に関わる仕事が生まれるなど経済的な支援にも繋がっている。

また、安全な水を提供し続けるためには浄水施設の適切な管理も必要だ。KGホールディングスでは橋梁技建の技術者との協力で子どもでも簡単に操作・メンテナンスを行える設計を実現した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:失言や違法捜査、米司法省でミス連鎖 トラ

ワールド

アングル:反攻強めるミャンマー国軍、徴兵制やドロー

ビジネス

NY外為市場=円急落、日銀が追加利上げ明確に示さず

ビジネス

米国株式市場=続伸、ハイテク株高が消費関連の下落を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 5
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中