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毎朝10回スクワットで恋も人生も変わる――和田秀樹流「若返りパフォーマンス術」

2025年9月9日(火)15時49分
和田 秀樹(精神科医)*PRESIDENT Onlineからの転載

血糖値を、薬を使わず劇的に下げたシンプルな運動

ただし、腰を落とすとき、ひざがつま先よりも前に出ないように注意してください。ひざに負担がかかって、ひざをいためるからです。不安な人は、いすやテーブルなどにつかまってやると、転倒の危険もなく安全です。

私は以前、血糖値が660mg/dLもあって、重度の糖尿病と診断されました。それが2019年の正月です。正常値は、一般的に食前で約70~100mg/dL、食後で140mg/dL未満とされていますから、かなり危険な数値です。


そこで私は、薬を飲んで血糖値を正常値にコントロールする方法をすぐにはとらず(薬が嫌いなのではなく、低血糖が怖いので)、スクワットと1日1回のんびりぶらぶらと20~30分歩くようにしました。

するとみるみる200台まで血糖値が下がりました。これには自分でも驚きました。今は、朝起きて300を超えたときだけ、薬を飲むようにしています。

薬で無理やり正常値にまで下げると、タイミングによっては低血糖状態になってしまう時間帯が生じます。低血糖になると、頭痛やめまい、胸痛、息切れ、意識低下、倦怠感、うつ症状が現れます。

先ほども述べましたが、もしも車の運転中に意識が朦朧として、けいれんや呼吸困難などの低血糖の発作を起こしたら危険です。高齢者の事故の多くは、それが原因の1つです。

私は血糖値だけでなく血圧も高いのですが、降圧剤で140mmHgまで下げたところ、頭がぼんやりして体がだるくなって、仕事どころではありませんでした。もちろん、このような状態では、恋活も無理です。

筋肉を使うと人生のパフォーマンスが向上する

血圧も血糖値も高めにコントロールすると自分で決めた以上、合併症になっていないか、こまめに検査を受けるようにしています。受ける検査は次の3つです。

● 3カ月に1回:人工透析を避けるために「腎臓の検査」

● 半年に1回:失明など糖尿病網膜症は自覚症状に乏しいため「眼底の検査」

● 5年に1回:「冠動脈の検査」をして血管の詰まりがないかを調べる

さて、スクワットで太ももや臀部、ふくらはぎなど下半身の筋肉を鍛えることによって、男性ホルモンを増やすだけでなく、糖代謝の改善や基礎体力と認知力の向上など、さまざまなメリットがあります。

私は毎朝、インナーマッスルが鍛えられる振動マシンも活用しています。ただ乗るだけでいいのですから、とても便利です。

また、筋トレ後30分以内にタンパク質と炭水化物を摂取すると、筋肉の回復とホルモンバランスの安定化が促進されます。そのため、朝起きたら欠かさず振動マシンに乗って、スクワットをしたら、しっかりタンパク質を含む朝食をとっています。

疫学的なデータでは、筋肉量が少ない人は寿命が短いとされています。日常的な活動量が多い高齢者とそうでない高齢者を比べると、明らかに認知症の発症率が違うという研究結果もあります。

つまり、スクワットと1日1回のんびりぶらぶらと20~30分歩くことで、恋活力が鍛えられるのです。

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