60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長寿に与える影響を科学が証明
「何かに触りたい」という日本人の欲求に変化
愛情とコミュニケーションを専門に研究しているアリゾナ大学のコリー・フロイド教授は、「周囲との正常な交流がないと脳は攻撃を受けていると判断し、過覚醒という緊張状態になる」と言っています。
日本人にはあまりスキンシップをする習慣がないとはいえ、やはり他者との関わりが制限されるとストレスになり、スキンハンガーを生じる原因になります。
コロナ禍でスキンハンガーという言葉が注目されるようになったことで、NTTが東京大学と共同研究を行い、新型コロナウイルス感染拡大時に、他者、動物、物など、「何かに触りたい」という日本人の欲求に変化が生じたことを発見しました。
この研究では、ソーシャルメディアに投稿された「○○を触りたい」「○○を触りたくない」というフレーズを含むテキストデータに着目しました。
そして、これらのテキストデータを解析し、新型コロナウイルス感染拡大時に、触りたい欲求の程度がどのように変化したかを調査しました。
その結果、人や動物など生物の肌のぬくもりを求める「スキンハンガーの慢性化」が起きていることや、ドアノブなどの物への接触を避けたいという欲求が強くなっていることを発見したのでした。
スキンハンガーが慢性化しているということは、不安や心配を抱いている人がたくさんいるということですから、大きな社会問題といえます。
高齢になっても性欲が衰えないのに「言えない」という苦悩
NHKは【クローズアップ現代+】(2017年5月18日放送)で、「高齢者だってセックス『言えない』性の悩み」というタイトルで、高齢者の性の悩みについて取り上げています。
番組の冒頭で、アダルトサイトを閲覧していた75歳の男性に偽の請求が届き、約5000万円をだましとられた事件(2017年4月)を紹介。
被害者の男性はモザイクをかけた映像で出演し、「恥ずかしくて家族には相談できず、要求されるままにズルズルと何回も金を払い込んでしまった」と話していました。
また番組では、60代を超えても性欲が衰えない男性たちの声をいくつか紹介していました。
例えば、「いまだに毎日のようにアダルトサイトを見ている自分がおぞましく、滑稽である」(70歳男性)とか「『エロ親父』といわれるのがシャク」(69歳男性)等々。
60代を超えても性欲が衰えないなんて、大いにけっこうと思うのですが、当人たちにとってはそれなりの苦悩があるようでした。
また番組では、「高齢男性のセックス」に特化して売り上げを伸ばしている「壮快Z」(マキノ出版刊)という雑誌を紹介していました。
マキノ出版というのは中高年向け健康情報誌が専門の出版社ですが、この「壮快Z」は2019年に創刊され、毎号5万部を出しているそうです。
ちなみに書名の「Z」は絶倫、絶頂、絶品などの意味を表すということで、漫画家のみうらじゅんさんに命名してもらったものだそうです。