こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
悪循環の中で動かせる要素は何かを見極める
悪循環は心理学の用語で円環的因果律(相互作用)モデルと呼ばれるもので、原因と結果の連鎖が続き、出来事を多数要素間の相互作用の文脈の中で理解しようとするものです。
体調不良になった人に原因を聞くと、「仕事が忙しかったから」「上司からきついことを言われて」などの理由を挙げる人もいます。
これを、単一の理由を原因とする直線的因果律モデルと言って、シンプルに感情のままに捉える(上司が悪いのだから、会社が上司を変えればいいなど)考え方です。
現実の職場では、業務に加え、自社や顧客、外注企業などの人間関係、プライベートの状況、その時々の体調など、多数の要素が複雑に絡み合います。これらの要素は影響し合い、それぞれの変化が他の要素にフィードバックされて、さらに新たな影響を生む、という円環的因果律で動いていきます。
そのため、状況を改善させるには、この円環の中で「今はどの要素を動かすべきか」「現実的に動かせる要素は何か」を見極めることが重要です。
また、「完璧に仕上げてから提出したい」との判断が、純粋に仕事のアウトプットを優先したものなのか、それともプライドや別の要素が影響しているのか、を冷静に考えて行動する必要があります。
ただし、追い詰められている状況では、思考がうまく働かなくなることもあり、「相談に消極的になる」など自分の特性が強く出やすくなります。
そうした状況では、1人で抱え込まず、仕事上の関係がなくても信頼できる人に客観的な意見をもらうことが、一番の解決策になるはずです。
吉田英司(よしだえいじ)
日本医師会認定産業医・心療内科医、株式会社ベスリ代表取締役
研修医修了後に、外資系経営コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーに参画。主に、中期計画の策定、新規事業戦略、事業再建などのテーマでコンサルティングを約3年経験。トップマネジメントに向けた戦略の立案と共に、現場社員への実行支援に精力的に取組む。
その後、シャープ、ルネサス エレクトロニクス、上場外資IT企業、外資化学メーカー、東京オリンピックパラリンピック組織委員会などで産業医を歴任し、社員個人の健康支援だけでなく、全社的な健康経営や健康施策の立案と推進を行う。
産業医や心療内科医として働くかたわら、日本のビジネスパーソンの可能性を最大化するために株式会社ベスリを設立し、企業の産業保健活動支援やリワークでの復職支援を行なっている。
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