10分おきに目薬をさす...「基礎涙」がない「慢性ドライアイ」とは?
The Pain of No Tears

重度のドライアイの実態は一般にはあまり知られていない ILLUSTRATION BY ALINA.ALINA/SHUTTERSTOCK
<認知されていないドライアイ患者のつらさをもっと広く知らせたい...。同じ病に苦しむ人たちのためにも情報発信を続けていく>
22歳にして、親の助けが必要になるとは思ってもいなかった。車の運転もできず、看護の勉強も続けられず、本を読むことさえできなくなるなんて考えてもみなかった。でもそれが、この3年間に私に起きたことだ。
私は10分ごとに目薬を差さなくてはならない目の病気にかかっている。涙腺機能不全、角膜神経痛、そしてマイボーム腺機能不全。いずれもドライアイを引き起こすことで知られている。
角膜神経痛の症状は、目の中に漂白剤や日焼け止め、シャンプーが入っているようなヒリヒリ、ジンジンする痛みだ。それが24時間、絶え間なく続く。
私が診断を受けたのは19歳になってから。その頃まで眼科では、予防的な検査がほとんど行われていなかった。私は毎年眼科に通い、「目が乾きすぎてコンタクトレンズが痛い」と訴えていたが、医師は「問題ありません」と言うだけだった。
医師たちは原因を特定できていない。しかし私の中に、まだ発見されていない自己免疫疾患があるのではないかと推測している。
最初に症状が出始めたのは12歳の時だが、診断がついたのは19歳。涙を作る機能が完全になくなっていた。
今でも外部から刺激を受けたときには涙が出る。これは「反射涙」と呼ばれるもので、水と塩分だけでできている。でも、これがものすごく痛い。傷ついた角膜に塩をかけるようなものだ。