最新記事
難病

10分おきに目薬をさす...「基礎涙」がない「慢性ドライアイ」とは?

The Pain of No Tears

2025年7月10日(木)09時40分
メラニー・ソーンダーズ(眼疾患患者)
ドライアイ

重度のドライアイの実態は一般にはあまり知られていない ILLUSTRATION BY ALINA.ALINA/SHUTTERSTOCK

<認知されていないドライアイ患者のつらさをもっと広く知らせたい...。同じ病に苦しむ人たちのためにも情報発信を続けていく>

22歳にして、親の助けが必要になるとは思ってもいなかった。車の運転もできず、看護の勉強も続けられず、本を読むことさえできなくなるなんて考えてもみなかった。でもそれが、この3年間に私に起きたことだ。

私は10分ごとに目薬を差さなくてはならない目の病気にかかっている。涙腺機能不全、角膜神経痛、そしてマイボーム腺機能不全。いずれもドライアイを引き起こすことで知られている。

TikTokで「慢性ドライアイ」を発信する筆者 を見る


 

角膜神経痛の症状は、目の中に漂白剤や日焼け止め、シャンプーが入っているようなヒリヒリ、ジンジンする痛みだ。それが24時間、絶え間なく続く。

私が診断を受けたのは19歳になってから。その頃まで眼科では、予防的な検査がほとんど行われていなかった。私は毎年眼科に通い、「目が乾きすぎてコンタクトレンズが痛い」と訴えていたが、医師は「問題ありません」と言うだけだった。

医師たちは原因を特定できていない。しかし私の中に、まだ発見されていない自己免疫疾患があるのではないかと推測している。

最初に症状が出始めたのは12歳の時だが、診断がついたのは19歳。涙を作る機能が完全になくなっていた。

今でも外部から刺激を受けたときには涙が出る。これは「反射涙」と呼ばれるもので、水と塩分だけでできている。でも、これがものすごく痛い。傷ついた角膜に塩をかけるようなものだ。

日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 5
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 6
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 7
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 8
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中